新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 10/1/20(水) 10:17:26
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1.時間軸の導入
近年、原価計算に対する考え方が大きく変わってきた。その最大の理由は、パソコンを中心とした情報機器の進化の影響である。本来原価計算は、物を生産すために消費した財貨の額を集計するものであり、消費される財貨の内容によって、財務担当部署では、材料費及び労務費、外注費、経費に分類して集計する。また現場担当部署では、A工種、B工種、・・等工事の進行に合わせた工種別集計しているが、この手法は今後も変わらず利用されるであろう。しかし原価の発生メカニズムは、もう1つの側面を持っている。原価が発生する時間軸の因子ある。材料費を除けば、労務費及び外注費、経費等の加工費はすべて時間軸で発生するため、時間データと共に原価を集計すること手法が重要な意味を持っている。時間軸の視点で原価を観察すれば、時間の変化をさせる要因が問題化する。何故なら、いかなる理由があるにせよ施工の時間軸に変更が起きれば原価は大幅に変化するからである。天候異変であろうが、設計変更、災害による時間軸の影響は、理由を問わず時間軸の変化で原価が大きく揺れるからである。
2.時間軸の原価計算の考え方
材料費を除く加工費を、時間軸に換算すれば原価計算がやさしくなる。何故なら1分の加工費が1,000円であると換算されれば、1時間は60,000円の加工費であり、時間情報さえあれば原価計算ができてしまう。従来型の材料費、労務費等の費目別原価計算や、A工種、B工種等の工種別原価計算は、静態型原価計算であるのに対し、時間軸を基本とした原価計算は、流れの原価計算となり、流動型原価計算ということになる。つまり、どのようなスヒードで施工されているかによって、原価を把握するからである。このような動態方の管理の思想や手法は、随所で使われるようになってきた。例えば他業界の生産において、在庫管理は静態管理であったが、今や売上の速度に合わせて生産することは当り前になり、生産のスピード管理が常識化すると、在庫として滞留することがなくなり、静態型在庫管理が必要なくなったのである。これもIT化の進化によって速度管理ができるようになったからである。建設業界の施工管理も動態管理が主力になる日が迫っている。
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