新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 10/8/11(水) 13:26:49
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1.能力主義化の必要性
市場経済におけるビジネス競争は、益々激しくなるばかりである。この激しいビジネス社会の中で生き抜くことは大変なことであるが、日本的経営の特色である年功制の経営では競争の不具合が多すぎるのである。年功制度自体が激しい競争を回避する思想が作用するからである。年功制は、年令が上がるにつれて能力が上がり実力を発揮することができるという考え方で、年令が上がるにつれて役職と給与が上昇する仕組みになっている。年令の上昇と能力の仕組みが適切に連動しているのであれば、真に素晴らしいシステムとなるのである。しかし、現実の能力は、生まれた環境やその後の教育、本人の努力等によって能力には個人差ができるのは当然の現象である。そこで個人の能力差を適切に評価する制度が能力主義であり、この能力手法を用いなければ競争社会では、人材制度が適切に機能しなくなってきたのである。
2.能力主義化の欠陥と日本的経営の安心感
人材の判定が能力主義化するにつれて欠陥も指摘されだした。人間特性の現象であるが、全ての人間が同一の能力を持っているわけではなく、少数の優れた人材だけが能力主義制度に満足するが、大部分の通常の人材は、必ずしも適切に機能することにはならない。そのため生活の不安や将来に対する不安等が付きまとうのである。まして能力が劣る人材にとっては決して好ましい精神状態ではない。その点で日本的経営の年功制は、社内における人材の激しい競争が和らげられる効果があり、精神的には落ち着ける環境があり、安心して仕事に専念できる環境となるのである。
3.日本的経営の弱点
日本的経営の特色は、年功型に現れているが、年功とは経験年数により功績があることを前提にしている。しかし実態は
功績があまり無く、ただ年令だけが上昇している場合があり、これでは年功型と言うより功績が少ないのであれば年令型と言うべきである。この年令型によって役職につく仕組みは、最悪の年令型人材制度が出来上がる場合がある。年令と共に役職が上がり、能力的に不適切な場合は最悪の状態が発生する。人間は自分の弱みを隠そうとするため、不適切なことを大きな声で怒鳴り散らす幹部人がおり、ピラミット型人事組織の中で最悪の状態におちいる場合が見かけられる。
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