401.グローバル化時代のデフレと空洞化
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 10/9/8(水) 21:28:18  返信も含め全削除

1.グローバル化現象と現代デフレ現象の認識
 人類にとって地球規模で起きるグローバル化現象は、過去にはなかった新しい現象の連続である。特に経済に関するグローバル化の現象は、未経験の現象であるため戸惑うことが非常に多い。その一つ例としてデフレ現象がある。本来デフレ現象は、市場に物が溢れている中で、消費者に十分な所得がない場合に起きるもので、供給過剰の状態で物価が下る現象をデフレ現象と言うのである。現在の日本経済のデフレ現象は、市場に物が溢れている中で民衆が不景気による所得不足の状態であるから、過去のデフレ現象と何ら変わらないが、では景気が良くなり所得が上がればデフレが解消するかと言えば、そうは行かないのがグローバル化時代のデフレ現象である。日本の物価が上がり始めると世界中の生産者が争って高く売れる日本に物が押寄せてくる。現に中国や韓国の生産者は、日本の物価が上がれば高く売れるとして大喜びだと言う。つまり世界中から物が押寄せる結果になり、価格競争が激化するため物価が抑えられる結果となるのである。これはグローバル化による地球規模の一物一価の法則の作用であって、グローバル化時代は、過去型のデフレ現象とは違うのである。

2.衣食住の生産現場の異変と本格化する空洞化現象
 現在の日本の衣類は90%が海外で生産され、日用雑貨は限りなく100%に近づいており、食品まで60%が外国からの輸入である。住だけは現地生産しかできないが、建材については海外からの輸入が増えている。このように衣食住の大部分が海外生産であり、消費だけが日本国内の問題になったのである。この状況下でデフレ問題を検討すれば、過去の需給の議論とは大きく相違することが分かるのである。今やデフレ問題は一国の国内問題ではなく地球レベルの問題なのである。これが現代のグローバル化社会の現象なのである。以上のように衣食住に関して一部の食品を除けば大部分に空洞化が起きている。更に高度な生産手段の生産品についても海外生産のため、工場移転が起きており日本の空洞化が本格的に進んできた。日本国内で生産していた業者の生き残る道は、海外に工場を移すことになってしまった。日本人の人件費が高くなったことによる影響である。現在の日本人の働く場所の空洞化の要因である。この状況下の中で国民が求めている景気対策があるのであろうか。寒気がするほど恐ろしさを感じている。

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