新規投稿者 地域経済研究所・阿座上洋吉
投稿日 12/29(日) 22:26:09
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1.雇用のミスマッチについて
近年、雇用のミスマッチという言葉をよく使うが、日本には雇用のミスマッチという表現は適切ではない。日本的経営の社内は社会主義的な年令型の人材思想は、ミスマッチという概念に当てはまらないのである。日本人が作り上げた年令型の賃金体系は、社内の人間関係を「弱」競争化させ「和」という思想を重視した制度である。そのため能力主義が育ちにくい環境の中で醸成された人材である。このように日本的経営の環境で仕組まれて作られた人材である。したがって、日本人は職種を決定してから入社する就職ではなく、職種が未定のままで入社する就社という行動である。職種を意識しないで入社したのであるからミスマッチという問題ではない。ミスマッチという現象は近年の能力主義が叫ばれてからの問題である。
2.従来型の人材で大成功した高度成長期
バブル発生期までは日本的経営で成功しており、今までは過去の労働観の年令型体制が立派に機能していたのであって、決して失敗した分けではない。過去の労働思想の人材による日本的経営で高度成長を遂げ、世界市場を席巻したのである。決して過去の労働観やビジネス観が間違っていたわけではなく大成功したのである。しかし当時は国のエリアがしっかりしていた時代であり、日本のエリアの中では日本的経営が大成功したのである。しかし今日のエリアレス化の現象では、あまりに大きな労働環境の変化であり、ビジネス環境が大きく変化したのである。そこで現代に合った労働観やビジネス観に変更しなければならない時代がきたのである。人材についても同様であり現代に合った教育をする必要があるのである。
3.転職・再就職支援として
年令型の日本的経営の中で醸成された人材は、社内が社会主義的年令型の体制と労働観を持った人材であるから、この点の労働観の転換をしなければならない。能力主義時代の教育投資は、個々人が他力本願の考えではいけない。誰かが自分の教育をしてくれると思うこと自体が社会主義思想の証拠である。能力主義とは自分の能力を指すのであるから、自分の意思で自分費用により自分自身を変える教育投資をしなければならない。この点が現在の日本人の労働観に大きな課題があることを知らなければならない。しかし長い間社会主義的思想で訓練されたのであるから、やはり思想転換や能力アップには時間や費用がかかるし、公的機関や民間機関のお手伝いが必要なのかもしれない。日本の労働観の転換は生易しいものではないようである。
4.人材の能力評価の市場価額
日本人は長く続いた年令型の賃金体系に馴染んでいたため、自分の労働価値と労働収入を連動して考えたひとが少なかったのである。また日本の労働市場は、自分の労働価値の評価が出来る状況にはなかったのである。また職種別労働価値の相場がなかったため、専門職の人材も自分の労働価値の評価が難しい。近年ようやく専門職について職種別に労働相場が新聞に掲載されるようになった。この点からみても日本は転職、再就職についての課題は何ひとつ解決していないのである。今までの日本には雇用のミスマッチはないのである。日本社会主義の労働観を捨て、労働観の大転換期を日本人全員で認識しなければならない時代がきているのである。自分の商品価値(能力)は、自分で高めること以外に誰も助けてくれないことを認識し、景気が悪いとか、政治が悪いと言ってすべて自分以外のせいにしてはいけない。それでは何ひとつ解決しないではないか。
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