新規投稿者 地域経済研究所・阿座上洋吉
投稿日 1/12(日) 17:07:27
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1.新しい人材が形成された過程。
過去の日本では家単位の絆が強い特色を持っていた。その時代は家長の発言力が強く威厳のもとで家族が統括されていた時代であった。この時代には家族単位の価値観が強く作用していた時代でもあったから、家長の職業や社会的地位等の職業観が子供に大きな影響を与え、親の価値観がしっかりと子供に承継された人材であった。いつの時代でも子供に対する親の価値観の影響を受けることは当然であるが、近年の社会環境の変化は親子関係にも影響を与え、過去とは相違する新しい人材の出現となっている。
2.新しい人材が出現した背景とその特色
新人材が出現する背景に社会環境の大きな変化があり、その影響によって新しい人材が形成され、新しい人材が社会に送り出されているのである。
(1)三世代家族の減少による影響
三世代家族の減少によって核家族の進展し、伝統的な家長の価値観が子供に伝承されない環境となり、親は子供に言葉によってのみ伝統文化や価値観を伝えようとするが、伝統文化や価値観は言葉で伝えるものではなく、三世代家族の中で子供は、自分の親と祖父母の生活環境の中で日常の生活の中で伝承されるものである。単なる親子の言葉で伝統文化や価値観が伝承されるものではない。
(2)1人子の時代の家族環境
親子関係が1対子供集団の時代から、親子が1対1の関係になってきた。そのため親が子供集団を命令的な垂直集団管理型から、親子が1対1の並列化関係となり友達親子の関係に変化してきた。そのため社会に出ても従来型の組織人としての集団管理に馴染まない人材が育成されるに至っている。
(3)子供社会も情報化社会
子供社会にも情報化社会の波が押し寄せ、マスコミ等からの情報が子供社会に大量に提供される時代になったのである。そのため従来のような親や教師からの直接的垂直情報が伝わりにくい環境になってきたのである。子供同士も親や教師からの垂直情報よりもマスコミ等からの水平情報の影響が受けやすく、従来型の家単位の価値観で育成されない環境になったのである。
以上の結果、現代子供環境が以前に比較し以前とは相違する環境になり、世代別に価値観が大きな違いが生じてきた。このように過去には存在しなかった人材が育成され、社会で活躍する時代に入ったことを計算に入れとかなければならない。その結果、多民族国家と同様に価値観が強烈に相違する人材が混在して構成されている社会となり、単純に多様化時代として済ませる分けにはいかないのである。
3.新しい人材の出現と教育環境の現状
教員と学生の関係も親子の関係と同様の状況であり、親の絶対命令のトレーニングを受けていない現代子供や若者は、上からの一方的な垂直的集団教育が難しい状況になっている。教員と学生が1対1の水平関係においては比較的容易に馴染むが、1対集団による集団統制関係になると教育も難しい。つまり集団主義に馴染まない人材の出現である。そのため集団主義が崩壊してきたことがわかる。従来のような命令型の一方的指示が通用しなくなってきたのである。このような現代社会の影響で集団主義者が減少し、個人主義者の急増しており、しかもこのような人材が企業の中堅にまで達してきた。この新しい人材の台頭によって現代日本は新しい経営管理が始まろうとしているのである。
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