新規投稿者 地域経済研究所・阿座上洋吉
投稿日 1/19(日) 19:25:48
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1.旧型人材の特色とその評価
旧型人材の特色は、集団主義者でピラミット型組織に馴染む組織人の特色を持っている。これらの人材によって高度成長を成し遂げたのであるから、これらの人材は優秀であり世界から賞賛された人材であった。この人材は日本的経営に最も適切な対応ができた人材であり、日本の経済力の基盤を作り上げた人材でもある。その人材の特色はピラミット型の軍隊組織に馴染み、上司の号令によって突っ走る攻撃型人材でもあった。このような人材が組織の中で中堅や上級管理職としての地位を築き今日に至っている。しかし近年の若い部下は、組織に馴染まない個人主義者の人材であり、従来型の組織や管理職では機能しないのである。
2.旧型人材の管理職が機能しない理由
旧型人材の管理職は、集団主義のトレーニングを受け、組織人として機能するように訓練され、中堅や上級管理職の地位を確保したが、個人主義者の部下を管理する訓練は受けていないのである。部下は組織に馴染まない個人主義者が配置されても、個人主義者の組織化や管理のノウハウがないのである。しかも組織に馴染まない個人主義者の上限は30代にまで達しており、中堅にも達する年令となってきた。この二つの異質な集団が企業内に混在しているのであるから、企業の組織が機能しないのは当然であり、時代に合った新しいシステムへ早急に切り替えなければならないのである。
3.新しい管理職の教育訓練の遅れ
集団主義に馴染まない個人主義者の台頭で、従来型の人事組織が機能しないため新しいシステムが必要となった。そのシステムは従来型の組織とは違う全く新しいシステムが必要になってきた。個人主義者は自分に与えられた仕事を自分のペースで実行するタイプであり、その仕事については自己責任を持たさなければならない。このような手法は現代若者の個人主義者には馴染むが、問題は従来型の管理職がこのような体制で部下を管理できないことにある。管理職が個々の部下に個別に適切な指示を与え、ネットワーク上で水平的に管理しなければならない時代になったのである。この点で新しい管理手法の管理職教育が遅れていることを痛感する。
4.新しいネットワーク組織の進化
新しいネットワーク型組織は、従来のピラミット型の垂直型組織と違い、水平に広がるネット型のシステムであり、横から見ると水車型に見える組織である。稼働した仕事は常に一定の場所である心棒に集中し、グループ全員の稼働が中心に集約されるように管理職は補佐しなければならない。管理職はネット上の一員であり水平に参加するような仕組みで仕事をしなければならない。近年はこの新しいネットワーク型システムが、更に立体化し始めており、より強力でより求心力が働くシステムとして進化し始めてきた。
5.新しい人材の戦力化が経営を左右する時代
「今、日本がおかしい・今、日本人がおかしい」と思うひとが多い。これは旧型人材と新型人材の仕組みが不都合であり、企業内がガスがかかったような状態となっている。そのため掴みどころがない状況に悩んでいる。この点を早めに整理し解決しなければ企業が自滅しかねない状況にあり、今後の経営を左右する重要な問題である。早急にこの動揺している日本経済から脱出しなければならないのである。
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