新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 10/12(日) 12:12:32
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1.人材の市場経済化の欲求と教育の遅れ
日本経済にも益々本格的な市場経済化の波が押し寄せてきたが、人材についても能力主義という人材の市場経済化の必要性が増している。しかし、日本の人材は市場経済化はなかなか進まない。これも長い間続いた人材の社会主義的思想のためである。日本の賃金体系が能力主義に切り替えの遅れた最大の原因は、年令型の賃金制度で居心地のよい社会主義的賃金制度があったためである。近年ようやく能力主義賃金にウエイトがかかってきたが、未だ年令型の賃金体制との併用程度であり、完全な能力主義の賃金体制にはなっていないのが現状である。
2.能力主義とは自分の能力を市場で売買する制度
完全な人材の市場経済化時代になると自分の能力を自分で評価しなければならない。なぜなら、自分の能力を市場で判定しなければならず、自分の能力としての商品価値を見極める必要がある。人材の市場経済化は自分で自分自身の能力を売買することになる。究極の市場経済の論理は、自由に市場で商品を売買するシステムであるから、結果として能力を正当に評価して売買することが必要である。然るに長い間続いたわが国の人材評価は、現状の能力価値を評価するのではなく、長い目で見た総合評価であって現在の能力とリアルタイムで一致していなかった。この年令型制度が近年まで続き人材の流動化を阻害していたが、流動化を好む若者や市場経済型能力主義論者によって近年急速に変化してきたのである。
3.能力主義時代の適切な教育
地球規模の市場経済化の競争が進む中で、人材についても市場経済型の能力主義教育が必要になってきた。しかし日本の人材教育は能力主義の教育が確立してはいない。日本の学校は年令型時代に馴染む平均人間製造工場であり、得意分野を伸ばすどころか得意分野をつぶし平均化させる教育であった。あまりに平均化の教育が中心であったからこそ、学生は平均値の競争が激化しストレスが蓄積する結果をまねいている。そのため平均値競争に負けた側の遺伝子が悪さをする。頭では友達同士仲良くと言われても、動物本能では競争心がむき出しになりいじめが起きる。いじめの因子は競争遺伝子であり競争させると激しく作用する。競争心を煽る親や教員の行動は、教育といじめが紙一重である。人間は負けたままでは生きられない。これは競争遺伝子のせいである。
4.平均人間から得意分野をもった優秀な人材を
平均人間製造教育をすると多くの平均人間の中で競合するから、勝とうとするあまりいじめや対立関係が発生する。平均人間製造工場の学校制度では、いじめや意地悪人間を増産する可能性が高いのである。得意分野をもった人間を作るため多様化した人間教育が必要なのである。得意分野を特化する教育によってそれぞれの分野でナンバーワンが沢山できる。近代経営は平均人間が必要なのではなく、得意分野をもった人材が必要でありこれらの人材でプロジェクトチームをつくり、チームワ−クによる仕事が多くなってきた。これからの市場経済の競争の勝負はチームの能力になってきたのである。
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