<41>護送船団思想が崩壊する理由       
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 11/23(日) 17:09:25  返信も含め全削除

1.日本は居心地よい豊かな国
 日本はよくここまで平和で居心地のよい国を作ったものだと感心する。諸外国と比較して現在の日本ほど世界から羨ましがられている国はないであろう。そのように感じていないのは平和ボケした豊かな国にいる日本人だけであろう。歴史的に見ても日本国始まって以来近年まで、一部の特権階級を除いた多くの一般大衆は、長い間その日の暮らしで貧乏な生活をおくっていたのである。これが高度成長期に入り一気に世界のトップまで経済力をつけたのであり、今日のような幸せな生活環境が出来上がったのである。

2.日本の護送船団方式は今
 日本の豊かなビジネス基礎をつくった護送船団方式の機能が崩壊してきた。なぜ護送船団方式が機能を失ったについて分析する必要がある。日本は欧米型の個人主義と違い仲間を重視する集団主義思想を基本にしており、日本は昔から同じ釜の飯を食った仲として仲間を大事にする文化があり、昔から長い時間をかけて引継がれた良い文化である。この良い集団主義の文化が急に機能を失ってきた。それは世界の市場経済が拒絶反応しているからである。世界は日本独特の集団主義の思想や文化を理解できず逆に嫌うのである。日本では仲間集団の中で暗黙の了解事項が沢山あり、一々言葉にしなくとも双方に通じ合う以心伝心ということができる。このようなことは日本人であれば当然に身についた文化である。集団主義はこのような日本独特の文化によって醸成されたものである。しかしこの光景は宇宙人がテレパシーで交信しているようなもので、外国人には理解できないし通用もしない。これからは世界ビジネスで通用する基準が重要で、仲間に優位に作用する基準ではなく、全ての人類に公平で公正な基準が求められている。個人主義をベースにしたビジネス基準が重要な時代になったのである。

3.護送船団方式が崩壊し機能を失った
 今の若者は新人類であると言われる。この新人類の前に現代若者を外国人と思えと言われたことがある。日本人ではありながら外国人と言われる若者が出現した時代があった。高度成長期に豊かで1人子の個室育ちで、初めから個人主義の環境で育てられ、集団主義を嫌うように仕組まれて育てられたのである。子供は素直に集団主義や護送船団方式が嫌いになるように育てられたのである。こんな若者は個性を伸ばすのに懸命である。日本人が長年にわたってつくり上げた居心地の良い集団主義であるが、このような状況下で国内では若者から拒否され、外国からは嫌われ一挙に護送船団方式は機能が果たせなくなってきたのである。

4.護送船団方式崩壊の余波
 このような環境変化により、各種の護送船団方式が様変わりを始めており、協会活動、組合活動、共同企業体活動等、従来の延長線上の護送船団方式は機能を失ってきた。従来の集団主義の思想は、民間の一企業では力が弱く、力量発揮するためには協会等により集団化して活動する必要があった。しかし近年の日本企業は、中小企業であっても単独で世界市場に堂々と展開している企業が続出し、従来型の古い護送船団方式を必要としなくなったのである。これからは企業が単独行動で力量発揮できるような支援活動を協会等に求める時代になった。

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