新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 11/30(日) 13:25:48
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1.情報化社会で益々個の社会化が進む
近年の情報化社会は、情報機器の進化もあって益々高度情報化社会へと進展してきた。更に情報機器は個を中心とした携帯電話の進化と普及により本格的に個を中心とした社会へ入ってきた。もともと人類が集団化した行動をとったのは、原始時代を想定すれば分かるが、個人が入手することが出来る情報は限られており、身の安全を確保するには個人の情報だけでは危険であった。したがって、必然的に部族を中心とした集団ができ情報を酋長に集中し集団主義が必要であった。しかるに今日の情報化社会は、携帯電話に見られるように、個人が自分のための情報収集が前提となっており、個人行動に適した社会になり益々個人主義化が進むのである。
2.集団主義の崩壊
個の社会の到来により集団主義社会が急速に崩壊してきた。日本の社会は近年までは集団主義社会であり、集団主義を好み集団主義に馴染んでいた国民である。この集団主義は好き嫌いとか、集団主義の良し悪しの問題で片付けてはならない。何故なら集団主義の崩壊が始まったのは社会現象として起きているからである。個人の好みの問題ではなく個人が自由に行動できる社会になっただけのことである。
3.日本の集団主義の特色
日本人は「和」という文字が好きな民族である。この文字自体が集団を前提とした文字であり、集団の和を主張している文字である。日本のあらゆる産業界には、業界別に協会や組合という集団があり、この集団内は仲良くすることが重要であると主張する。しかし、中を見ると競争相手の集団であり奇妙な話である。喧嘩相手と和を保てとは理屈に合わない集団であるが、集団には和が重要であることを主張する。政府も、各省と業界が一緒になって護送船団を結成し外国ビジネスに参入する。企業の内部を見ても社員が一致団結してエイエイオーと気炎を上げる。そのため企業内部は和が重要であり、年令によって役職を与え、年令上の仕事につかせ、年令による給与を支給する。これで個々人競争をさせない仕組みで集団主義を維持してきた。
4.情報化社会は、個の競争を激化させる
なぜ集団主義が一挙に破壊されたのであろうか。これは単純な原因である。本来の市場経済とは個人の自由な経済活動を前提とした経済制度であり、個人の経済活動を前提としているからである。しかも日本以外の市場経済の先進地である欧米は、早くから個人主義に馴染んでおり、日本の個人主義化が遅れていただけである。ここへきて中国の個人主義化が急速に進み、日本の個人主義化の波より数段先を進みだした。市場経済の激しさは個人主義化の激しさでもあり、中国の強みはもともと日本人より個人主義思想が強いことである。日本人は個人主義化の勉強をしなければならない時代がきたのである。家庭、学校、職場、ビジネス界等のすべての集団の中の行動が、集団主義思想の行動から個人主義思想の行動に切り替が必要になってきたが、日本には個人主義の教育ノウハウが何一つないのである。個人主義社会のフエア競争を知らない者も多いし、集団主義時代の価値観ではこれからの世界経済にはついていけないのである。
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