<46>集団主義の崩壊が始まっても       
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/28(日) 19:03:37  返信も含め全削除

1.集団主義の思想をどこまで引きずる
 日本は集団主義の思想が規範となっており消えそうもない。企業内部は和を重視する集団主義の仲間意識が強い良い面が沢山ある。この集団主義は社内の和を保つために能力主義にするより、年令で昇格する方が内部の争いは少なくてすむのである。しかし個人の意見は自由に発言しにくく個人行動はすべきでない環境となり、ボスの命令によって集団が活動するような仕組みである。この集団主義によって高度成長を遂げたのであるから、集団主義は失敗したのではなく大成功したのである。ただ時代が変わり情報化社会になりグローバル化や個人主義が進み、従来型の集団主義が機能しない状態になったのであるから、情報化時代に適切に機能する仕組みに切り替える必要がある。集団主義が機能した時代はスローテンポの時代であり、現場の提案はスローテンポで上位管理者に伝わり、決裁された結論はスローテンポで現場へ伝えられる仕組みである。世の中スローテンポの時代は、ピラミット型人的組織の中で上下の伝達がスローテンポでも機能したが、今日のようなスピード時代には、スローフード的スロービジネスなら別であるが、通常のビジネスでは通用しなくなった。

2.集団主義を支えた軍隊組織を引きずる日本人
 上司の命令で集団が効率的に動くシステムは、集団管理についての有能な上官が必要であり、部下は大量平均人間製造工場(学校)で教育された平均人間が、上司の号令に従順に従う兵隊が必要である。昔は良質な情報を入手することが難しく、数少ない情報はピラミットの頂点に集め、その情報によって頂点のリーダーが決断し、末端の兵隊に指示するシステムであった。更に集団が機能を高度に発揮するためには強力なピラミット型の軍隊組織が必要であった。以上が従来型の強力な集団主義の強さであった。日本の高度成長期の経営環境には軍隊組織の集団主義の機能が合っていたのである。社員は企業に忠誠心をもち上司に従順な企業戦士であり、個人の生活を犠牲にして会社人間として働いた人間ばかりであった。
 今日の日本には、有能な集団主義の連隊長型リーダーがいないし、集団主義の有能な上官もいない、更に従順な特攻隊員は絶対にいないのである。仮に居たとしてもどこかの独裁者の国と同じではないか。現在の地球上でそんな陳腐化した人材は世界市場で通用する分けがない。時代はこれほど大きく変わったのである。それなのに日本人は集団主義の亡霊に取りつかれ集団主義を変えようとしない。しかも世の中が変だといい、景気が悪い、政治が悪いといって自分を変える意思がない。

3.能力主義は人材の市場経済化のこと
 能力主義は、個人主義を基本にした人材の市場経済化である。自分の能力価値がなければ市場において商品価値が下がるのは当然である。集団主義のように賃金は年令で平均化されない。長い間日本の賃金は集団主義の体系であったから、能力主義の賃金が馴染まないのは理解できるが、年令別賃金体系が典型的社会主義の手法であるから、これをどのように変えるかが今後の課題である。欧米のように職種による賃金体系が考えられる。パートタイマーの賃金体系が職種別賃金体系であり、近年、職種別賃金相場として公表されるようになってきた。

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