<49>ISOが要請される社会的背景
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 1/18(日) 17:40:40  返信も含め全削除

1.ISOの認証機関ができるまで
 グローバル化社会が急速に進展する中で流動化現象は地球規模で益々拡大を続けている。この近年の現象は過去の経済規模が小さく競争も完成品による競争であった。然るに今日の世界経済は、部品生産の段階までも巻き込んで激しい競争となってきた。近年の部品レベルの競争は単なる品質と価格の争いだけではなく、部品生産の拠点まで地球レベルで移転による分業化現象を引き起こし、部品生産国の間で激しい価格競争が起きてきた。賃金上昇国の競争力が低下し賃金低廉国が競争力を発揮するという現象である。一方で生産拠点の移転現象による産業空洞化現象が本格的に進んできた。このような地球規模の生産拠点の流動化現象時代に要請されたのが、品質、規格の標準化問題である。そこで国際標準化機構(International Organization for Standardization)が1987年に決めた世界共通の品質管理システムが要請され、今日の地球規模の流動化に対応するため品質保証に関する品質管理等の世界的標準化の制度が出来上がったのである。ISOには、品質対応型のISO900シリーズと環境対応型のISO14000シリーズがあるが、ここでは主として品質対応型のISO9000シリーズについて検討したい。

2.市場論理によるISOの認証機関等の運用システム
 品質管理責任者を明確にし、製品の設計段階からアフターサービスまでの品質管理全体システムを審査登録機関が検査し、ユーザーの立場に立って品質が一定水準保証される生産工程であるかを検証し、品質管理システムが適切に機能しているかを評価する制度である。ISOは標準化された品質管理システムがマニュアル化されていることが前提で、標準化された品質管理のマニュアルやシステムが企業の知的財産として蓄積された、世界的に通用するものでなければならない。そのためにはISO認証機関等の関係者が一定水準のレベルになければならない。そこでISO認証機関や関連するコンサルタントをISO認証市場によって競争させ、実力のないISO認証機関は関係者を市場から撤退させる仕組みになっている。ISO認証機関は、民間の機関であって恒久的に継続させる仕組みではない。市場論理を前提とした厳しい競争原理が作用するようになっている。したがって、認証機関同士がより良い適切な認証サービスの提供をする競争関係にあり、ISO認証サービスの求めに応じて有料によって認証する機関であり、ISO認証取得のためのサービスや継続審査等のサービス提供で、各認証機関同士は市場原理の競争関係で良質な認証というサービス合戦を展開している。したがってISO認証機関同士競合に負けると市場から撤退しなければならない運命になる制度である。

3.ISO認証機関やコンサルタントの優劣を評価し選定すること
 認証機関等の選定については、認証機関自体のレベルや担当する審査員等のレベルや適切さを検証し、認証サービス内容や建設業の工事管理の知識が十分であるか等を検討しなければならない。またISOに関するコンサルタントと認証機関の審査員の連携が適切に機能しているか等十分な調査が必要である。料金についても適切な価格で認証できるかを検討し、認証機関等を選定しなければならない。認証機関等は総合的にみてピンからキリまであることを十分に留意して選択しなければならない。

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