新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/3(月) 22:46:31
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1.軽微な施工ミスが施工改善のメッセージ
建設現場では軽微な施工ミスがよく発生する。しかも軽微なミスが連続して発生することがよく起きるものである。これは施工ミスが軽微であるために見過されることが多いのである。大型の施工ミスであれば施工事故として大きく取り上げられるが、日常化している軽微な施工ミスが目立たないため見過ごされる。ミスとは言いえないほど軽微なものであればなおさらであり、気が付く者さえいない場合もある。これらのミスは軽微な施工ミスと言うより作業ロスと言った方が適切であろう。このような軽微な施工ミスや作業ロスを防ぐ方法は、作業を標準化しそれをマニュアル化することがポイントで、このマニュアルによる施工によって軽微なミスロスを防ぐことができるのである。しかし日本の作業文化はマニュアルが馴染まない。むしろマニユアルによる作業を嫌うのである。そのため軽微なミスロスの解決策にマニュアルを用いることが有効であっても、現場作業員や技術者が嫌うマニュアルの作業文化をいかに定着させるかが課題となる。
2.なぜ、軽微な施工ミスが見逃されるか
建設業者がよく言う「建設現場は一つとして同じものを生産することがない」という。そのとおりであり反論する余地がないことも当然である。しかし、これを理由に建設現場の施工方法を標準化させないことは許されないことである。実際の施工現場については工種別にかなりの部分は共通性をもっているのである。しかし現場担当者は標準化できないと思い込んでいる者が多いのである。これが「一つとして同じ現場がない」という理由になって現われている。これは頭から標準化する意思がない証拠ともいえる。まして標準化を実行する意思はまったくないと言っても過言ではない。この建設関係者の意思がこの業界の標準化が進まない最大の理由である。これは特に建設業界だけの問題ではなく、日本人の文化がマニュアルに弱く馴染まないのである。しかし近年の日本は、マニュアル文化の全盛時代に入った感がある。コンビニエンスストアやレストランテェーンのマニュアルは米国で開発されたものであるが、現在、日本に広く普及し業界によってはマニュアルが無くてはならない業界すらあるのである。
3.本物のISOが進まない理由
ISOは作業の標準化がベースにあり、標準化が進まなければISOを本格的に運用することはできない。何故なら品質管理には良品を生産するための最小限のルールが必要となる。この最低限のルールがISOの基本となっている。これには最低限の品質等のマニュアルが必要で、このマニュアル自体に作業の標準化が必要となるのである。したがって標準施工の部分はこのマニュアルを運用して施工することであり、マニュアルに不都合な部分があれば直ちに修正すべきである。この修正は良い方向に修正するのは当然であるから、修正行為自体がISOの進化ということになる。もし建設業者が言うように「建設現場は一つとして同じものを生産しない」というのであれば、マニュアルにない施工部分が発生した時に例外管理の手法を用いればよい。つまり標準管理はマニュアルで施工し、マニュアルにない部分は担当責任者の管理下において管理するのである。標準管理と例外管理はセットで運用されて効力があるものである。
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