新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/16(日) 10:08:31
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1.ISOを公共工事でどう扱うかの確認
建設業者が公共工事を受注した後に、ISO認証取得業者が希望すれば品質管理業務を発注者の立会いによる段階確認業務に替えて、建設業者側が行うISOの検査業務による書類に置き換えることができる。これによって発注者側は人的行動の省力化をすることができるようになった。しかし品質管理業務の段階確認の代替できる条件は、ISOの認証取得していることを前提に更に優れた施工能力を持つことが条件となっている。優れた施工能力とは過去の工事成績が利用される。これは発注者が従来から行われていた品質評定の一部を運用することであり、ISO認証取得業者が無条件に認められるのではないことを留意しなければならない。
2.ISOは発注者の省力化に威力を発揮する
発注者にとって立会いによる段階確認業務は、人的行為であるから担当者の物理的行動に左右される。多くの現場を抱える発注者にとって、すべての現場を当初予定した計画どおりに段階確認業務を行うことは不可能に近い状況さえあり発注者の悩みの種であった。これを建設業者が行うISOの検査業務で代行させることで、発注者としては人的行為には大きな省力化が可能になるのである。つまり建設業者にとってはISOの検査業務が実施されているのであれば、その検査書類を発注者に提出させ段階確認業務の代替とするのである。
3.ISOは建設業者の省力化にも威力を発揮する
発注者の段階確認業務は、現場で施工行為を停止して行われるため施工上に大きな影響を与えている。発注者にとってすべての段階確認業務を省略することは出来ないが、試行工事で確認された省力化の状況は、大型工事で実施される数百回の段階確認業務の5分の3程度が省力化することができるようである。発注者がこれだけの立会いによる段階確認業務の回数を、ISOの検査書類で代替されることは、建設業者にとってどれほどの施工効率に繋がるか計り知れないものがある。施工業者が自社による施工計画どおりに実施できること自体が、生産効率よい施工が可能になることを意味しており、建設業者にとってこれをどの恩恵はないのである。
4.ISOを本物の知的財産化のチャンス
建設業者は今こそISOのマニュアル手法によって、ISOの原理・原則を知的財産として構築することが如何に重要であるかを全社員に浸透させ、今回の発注者のISO取り扱い変更を成功させるきっかけとすべきである。人間はもともと個々の思想や行動が違うものである。各自の考え方が異質であるからこそ行動が必ずしも一定ではない。これがマニュアルを要求される所以である。まして一定水準の品質を確保するための基準をマニュアル化するのは当然であり、極論すれば一定水準の品質管理にはISOの中に組み込まれたマニュアルが大前提である。更に重要な点はマニュアルが進化することであり、ISOの真髄は進化にあり全社員に徹底することがISOの成功の道である。すべての作業実態の記録はデジタル情報で運用すべきである。電子化された情報は運用の段階で容易に進化することができるからである。これによって作業の標準化が進み神経系統がデジタル信号で整備され、知的財産として現場管理が高度化し、ITの更なる進化へと誘発されるのである。
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