新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/30(日) 16:04:16
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1.ISOを形式化させないための条件
人間は繰り返しミスを犯すものである。ミスを犯すからこそ人間であるとさえ言える。もし完全な人間がいてミスは絶対に犯さないとすれば、それは人間というより神様と言うべきである。それほどまで我々人間はミスを繰りかえしてしまうものである。そのため普段からミスを犯すことを前提にして、できるだけミスを回避するための準備をする必要がある。このようなミスを出来るだけ避けるためには、マニュアルによるミス回避の手法が有効であることは既に実証されている。更に世界中でマニュアルによるミス回避の研究が進んできたし、ミス回避マニュアルの手法がISOにも取り込まれるようになった。したがってISOはこのミス回避システムを十分に活用するシステムでなければならない。ISOを形式化させないための最低限の条件が、この機能的なマニュアル手法の活用なのである。
2.品質の高度化運動は継続化することに意味がある
品質判定についての内容を大別すると、品位、品格という外見的な面を評定する部分と材質や規格等の精密さが要求される内容的な面がある。本来の品質問題は後者の材質や規格等の高度化の要求が強いのであるが、経済社会の成熟化が進むにつれて、前者の品位や品格といった外見的な欲求が強くなってきた。このような時代に入りISOの評定範囲についても益々重要なシステムとして認識されるに至っている。精密機械の生産をしている業界と建設業界とを比較すべきではないが、建設業界だってISOの重要性の意識がもう少し深く幅広く認識されても良いのではないか。重要度認識程度の問題であるが、前述したように人間は神様ではないのであるから、優れた品質のマニュアルによるシステム化は、材質や規格ばかりではなく品格や品位にも磨きがかかり、マニュアル自体が進化を遂げるのである。これらのマニュアルが生産現場の作業を文化として確立すること、他社が容易に真似することが出来ないほど重要な知的財産を企業に蓄積することができることを認識すべきである。
3.ISOは何故等身大で作らなければならないか
技術・技能・作業等を優れた企業に発展させるためには、企業独自のISOという知的財産を作り上げることが重要である。それには企業独自の技能・技術等の向上させる機能も発揮するものでなければならない。本格的VE時代に向けて新しい工法や生産方式で成果を上げるためにも、自社の施工現状の実態を認識し、自社企業の現状に適したISOの基盤を確立する必要がある。他社が建前で作ったISOの真似をするようでは、ISOが自社企業内で本格的に機能するはずがない。これは名刺に印刷することが目的のISOであり本物ではない。このような他社の真似したISOで実際に運用させようとしても、当然、現場で運用することは無理であり、これを現場で強要すると重荷となって日常的に利用することが無理になるのは当然であり。形式的な建前のISOが出来上がってしまうのである。導入時の思想が重要であり、自社企業の実態をベースにした等身大のISOからスタートし、これを進化させながら品質管理の自社企業にとっての施工文化にならなければならない。
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