<69>本格的品質管理のISOを
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/6(日) 20:37:06  返信も含め全削除

1.事実を隠したがる日本人の特性
 現場の施工実態の状況を工程表に正確に記録されていなければ、自社企業の施工管理の適切な改善はなかなか進むものではない。まして施工管理の手法を改善することや進化させるためには、工程表の正確な実態記録が欠かせない条件である。しかし、人間は事実の中に潜む自分のミスやロスは隠そうとするものである。これは人間の自己防衛心からくる当然な行為であり仕方がないのである。特に日本人はミスロスの事実を隠したがる特性をもっており、ここが今後の大きな課題である。隠すことができない大きなミスロスであれば表面化して記録に残されるが、いずれにせよ失敗の記録が正確で忠実であるほど改善に重要なヒントになることも確かである。失敗事例を含めた施工事実の記録があればISOの内容を容易に改善進化させることが可能となり、ISOが成功する姿が見えてくる。また事実記録が将来ISOの進化の状況判定や成果測定の基準となるのであり、品質評定・工程改善・生産性向上・原価測定等のモノサシとしても重要な機能を果たすのである。ISOの成功のカギは、全てを隠さず真実の事実記録が成功への道であることを十分に留意しなければならない。

2.失敗記録は軽微なものから
 過去の失敗事例の記録が正確であれば慎重に分析し、その事態を回避するための研究も進み、危機回避の手法まで研究をすることができる。失敗の情報は重要な役割を果たすのであるから、当然ISOを進化させるための重要なきっかけともなるのである。これには軽微なミスの記録が重要で、軽微なミスほど気が付かないで見過ごす場合もあり、軽微なミスの記録が実施されるシステムが重要である。軽微な失敗の記録は日常のISOの進化を促し、ISO高度化のポイントとなるのである。人間の弱みである自分の失敗を公開することができるような社内風土が出来るかどうか。心理学的にはかなり難しい問題である。人前で自分の恥をさらすのは日本人には一番苦手な作業である。しかし、この難問を解決すること以外にISOや安全管理システム等を成功させる道はないのである。如何に失敗の記録を残せるか、心理学的研究や社内の意思統一も重要なポイントとなるのである。

3.工程表による時系列情報化
 ISOは時系列情報と深い関係にあり、すべての作業事実を時系列に順位を付けて工程表で電子化することがポイントである。建設現場は特に並列化作業が多いのであるから、時系列に工程表で整理しなければ利用価値がないのである。工程表による時系列情報の事実記録が如何に重要であるかを、全社員で熟知しなければいけない。現場の作業は工程別に時系列で進むものであるから、工程表の時系列情報に一ISOや安全管理システム等すべての工程情報が一体化していないと、ISOや安全管理、その他の管理情報は形式化してしまい本来の機能を十分に発揮できないのである。施工現場は工種別に時系列で進んでいるのであるから、ISOや安全管理システム等が本格的に知的財産として活用されるためには、時系列の工程にしたがった電子記録にすべての管理システムが統合されることが成功への道である。

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