新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 6/13(日) 00:05:17
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1.公共工事入札条件から外されたISOの見解
ISOを高度に活用する方法は、社内の品質管理と違い外部の認証審査を受けなければならない。そのため認証取得に関する多額な費用や、認証取得後の管理体制で発生するランニングコストの負担も覚悟しなければならない。ISOは費用負担が掛かり過ぎるという声も聞こえてくる。特に中小建設業者においては特に費用負担感についての声が大きい。そのためこの度の国土交通省のISOに対する入札条件から外されたことで落胆の声さえ聞こえてくるのである。国土交通省によればISOの認証を入札条件から外し、発注者による段階確認の一部をISOの書類確認に替えることとした。中小建設業者にしてみれば入札条件に入る気配があったからこそ、ISOの認証に多額の費用が掛かることを承知で取ったのである。そのため入札条件から外されたことはISO認証の意味がないとして継続審査を受けないという声が多い。
2.ISOによってコストダウンが可能になるか
多くの建設業者が行っている工事管理方式では、ISO認証に関する諸費用を吸収することはできないことは確かである。その意味でコストアップ論の意見は正しいことになる。しかしそれは建設業界が従来から実施してきた社会主義的コスト管理手法に問題があるのであり、実行予算による社会主義的思想で予算消化するのであるから論外である。このような日本の多くの企業はISOと無縁の原価管理の手法をとってきたことに問題があるのである。近年の市場経済は超競争社会となったのであり、従来型の予算消化の実行予算制度が成り立たないのは当たり前である。すでに従来型の予算管理手法が臨界点に達しているのである。そこで従来型の予算管理手法ではできなかった新しい管理思想と、デジタル情報共有による新しい管理手法に切り替える時代がきたのである。このデジタル信号を高度に活用する近代工事管理手法にはISOが馴染むし、ISOが組み込まれたデジタル信号によって高度利用が可能になり、大きなコストダウンに結びつくのである。この方法でISO関連のコストは吸収され、むしろトータル的に大きなコストダウンになっている企業が出始めている。
3.コストダウンの大きな効果
初めからISOの認証取得を目的とすべきではない。ISO認証取得を目的としてスタートすると工事管理と関係なくISO認証取得自体が目的となるからである。本来の工事管理は、工程管理、安全管理、原価管理、品質管理の4大管理の中にISOが含まれているのであって、品質管理だけを抜き出してISOに全体の工事管理から切り離すことを考えてはいけないのである。もともと4大工事管理は、一体化して管理すべきものであるから、ISOを切り離したシステムとして認証すること自体に問題があったのである。特に公共工事について入札条件から外され、段階確認にISOを活用する場合は、工程管理の中に完全に溶け込んだ状態でISOを活用することになり、本来の工事管理の一部としての品質管理になるのであるから、品質管理が本物となりISOによる品質管理が安全管理や原価管理と有機的に統合化した状態の管理手法するようになるだろう。そのためISOがなくてはならない管理手法の一部になることは間違いない。
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