新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 8/8(日) 23:45:39
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1.企業の生命力と企業家精神の芽生え
企業の生命力の根源は何か、それは企業という生命体を創り上げた人間の文化や意識が作用している。そのため企業を創り上げた人間側の意志や思想、文化が具現したものであり、人間そのものの意志が伝播し企業の生命力の根源をなしている。当初の人間活動は最低限の衣食住を満たすことが目的であり、これは生命体として生命維持のための当然の行為である。このような当初の人間の行為は企業活動とは言い難いもので、自分自身や家族を養うための生活上の経済行為であり生業という。この生業が発展して企業へと進化する時点で、人間は仕事に対する意識に大きく変化する。これを企業家精神といい、自分や家族だけに止まらず知人や地域に貢献しようという経営意識の変化である。この様な思想や意思が作用する状況になると、企業は永遠に継続し中断することは許されない状況となる。もはや企業は私的な経済行為ではなく従業員や取引先、地域、自治体等あらゆる利害関係者にとって永久に継続しなければならない存在となる。私企業であっても企業は社会的に公的存在になる所以である。
2.企業の生命力の終末期と新生への転換
企業は永遠に継続しなければならない使命が醸成され、生業時代の思想から企業家精神へと進化するが、この企業家精神の社団に生命としての周期があり、その終末期となる企業自身に大きな転換期を向える時期があることも事実である。この転換の時期を乗り越えることが企業継続のカギである。個人企業の最大の周期を例にしても、従来の企業承継は子供に継承される場合が多いが、この場合であっても以前の日本の慣行では長男が家督相続という形で継承されていたが、当時としてはお家騒動を避けるための手法として長男相続という文化を作り出している。しかし社会の変化による社会的慣例まで変ると、長男相続の慣例が消滅し子供を平等に扱わなければならない社会となると、法律まで変化し子供全員で継承する手法として要請される。合名会社の設立要請が高まったのはこの時代である。合名とは兄弟等信頼される仲間の連名で設立した社団で、初代が個人として起こした企業が中断することなく継続させるための配慮として作られたものである。
3.企業終末期の苦悩と新生への視点
今日の企業周期のサイクルは非常に複雑化している。合名会社の要請に次いで合資会社が要請され、今日での社会的要請として株式会社や有限会社の全盛時代を向えている。社団としての企業体は各種の形態で変化や進化を遂げているが、この企業体の30周年周期の要因が人間側に大きく起因している点を注意深く観察し分析する必要性がある。企業の生命力は人間の成長期や成熟期、衰退期と同様な周期を持っていることは分っているが、その研究は十分とはいえない。人間の本性の特質と関連していることは確かである。ただ企業の生命力には多くの課題があり、生命力が右方上がりの時はすべての機能が正常に作用するが、水平状態では企業の生命力に陰りが発生し、右方下がりの状態になるとたちまち生命力が死に体化する情けない特性をもっている。これらの研究は高度に幅広く例えば企業生物学的研究と社会学的研究等の連携での研究が必要となってきた。これらの研究もせずに不景気のせいにしてはいけない。
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