新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 12/12(日) 18:12:42
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1.人間は二つのモノサシを持っている
人間は通常二つのモノサシを使って判定し行動する。その一つは動物本能からくる情緒的モノサシである。情緒的モノサシは好きか嫌いかで判定するモノサシである。他の一つは脳の発達による理性と言うモノサシである。人間は感情の動物であると言われる理由は、好き嫌いで判定する情緒的なモノサシを多様するからである。しかし集団生活の中で好き嫌いの判定を使い過ぎると、集団の和が保てずトラブルが多発する。そこで理性による建前によるドライなモノサシが必要となるのである。この建前というモノサシは人間の知恵で考え出した集団行動学産物である。集団の習慣文化には建前文化が多いのはそのためである。近年建前文化が崩壊してきたのは何故であろうか。地球規模の価値観混在化による混乱が起きている。
2.村社会の集団文化にも異変が
一定の地域に限定されたエリア内文化は、他のエリアと交流が少なかった時代には、そのエリア内特有の習慣文化が出来上がる。特に日本は歴史的に徳川300年の鎖国時代は外国との交流がなかったし、国内においても通行手形がなければ自由に移動することが出来ない地域封鎖政策であった。しかも大衆は貧乏な時代であったから経済的にも容易に移動できない時代が長く続いた。この時代に日本の地域文化は地域ごとに独特の風習や生活文化が出来上がっている。例えば日本の食文化として出来上がった郷土料理は、地域封鎖政策の中で、その地域で採取される食材を用いて、その地域で工夫されて出来上がった料理で、その地域で認知され承継された料理法を郷土料理というのである。芸術文化、スポーツも同様であって、一定の限定された地域の特産物として継承されてきたものばかりである。しかし今年のグローバル化現象によって、世界中の地域文化が地球規模に急速に広がり、世界中で混在化が始まっている。グローバル化現象によるもので地球規模で価値観の混乱が発生している。
3.村社会の情緒的精神的貸借論も混乱
限定された地域内では精神文化にも大きな特色が出るものである。他の地域と交流が少ない時代には人間関係が地域内で固定化する。地域内ではボスを頂点としてピラミット型の人間関係が出来上がる。権力によってボス、上級幹部、中間層、下層階級とピラミット型の序列が出来るし、職業についても士農工商という序列ができ、家庭においても家長を中心に序列が出来ていた。自然界の動物と同じで弱肉強食の上下関係が出来上がるのである。この時代には人間の精神的関係にも特色がある。情緒的な現象として精神的貸借関係が出来上がる。「世話をした」立場と「世話をされた」立場が出来上がり、この情緒的現象として恩義の貸借が認識される。恩義の借りはお返しをしなければならない。お世話になったからと中元、歳暮の習慣文化は恩義貸借の返済行為である。恩義のお返しをしないものは恩義の知らないやつとしてイジメの対象となる。接待ビジネスは、この恩義を利用するシステムである。取引相手に先に恩義を与え恩義のお返しを狙う行為である。しかし近年は、この接待ビジネスにも異変が起きている。何故すべてのビジネス文化に異変がおきてきたのであろうか。それは新市場主義の台頭である。従来のビジネス文化が限界に達し崩壊してきたことを示している。
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