新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 2/13(日) 13:47:57
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1.能力という市場経済の嵐が襲う
現代社会は、人間の能力までも商品化し市場において売買する時代になった。しかもドライで冷酷な競争原理が作用する中で行われるから、能力主義は最も過酷な状態にならざるを得ない。市場経済の競争原理や能力主義の争いは無限大に作用することは、市場経済や能力主義の欠陥であろう。この点で長い時間をかけてつくり上げた「和」を中心においた集団主義は年令型の体制であり、年令で仕事や役職が決まり賃金も年令によって昇給するため、過剰な争いをする必要がないので集団の和が保たれていた。しかし、この集団を一致団結させて他の競争相手に立ち向かうようにするためには、競争相手に強力な外敵がいなければ、内部を団結させることが中々進まない。外部に強力な敵対相手がいる場合に内部の結束が強く図られる。第二次世界大戦時の日本がそうであったし、近年の北朝鮮は外部の敵を強く意識させて内部の緊張感を煽り結束を図る手法である。
2.集団化現象の人間模様
近年のエリアレス化時代になると国という概念さえ変質化している状況であり、一部の共産圏の国を除けば外敵を強く意識させることは難しい時代になった。その点で平和な時代は、内部を集団主義で和の結束手法を用いることは不可能に近いのである。集団主義の共産圏諸国が経済的に破綻したのは、グローバル化社会に入り世界の経済活動がエリアレス化したための現象であり、強烈な敵を意識させて団結させる方法が採れなくなったのである。スポーツについても同じような現象が起きており、サッカーの試合のように外敵が強力であればあるほど、ファンは無意識のうちに熱狂的に結束し集団化する。外敵から身を守るための本能的行動である。本来の集団化の原点は、原始時代に外敵から身を守る手段の一つであったが、外敵が少ない安全な社会になっても本能的行動は残っている証拠である
3.能力主義は学歴社会までも崩壊させようとしている
原始時代に比較して身の危険が少ない時代には、動物は安心して自分のテリトリーエリアを抜け出して行動範囲を拡大する。しかも自分の意思で行動するのであるから、集団内部をコストコントロールすることが難しい時代になった。経済活動も同様であり個人の自由意志のままにビジネス活動をする時代となった。これが自由主義における市場経済の基本であり、個人主義化を前提にした経済システムである。この自由主義における市場経済は、人間の能力でさえ商品化して自由に売買するようになった。能力が高く売れるのであれば能力に磨きをかけなければならないが、長く続いた年令型の社会の労働価値観が根強く残っている日本では、なかなか切り替えることが出来ない。しかし近年は、従来型の年令型システムと学歴社会にも変化が起きてきた。入学試験だけ勢力を使い、入学後は遊びとアルバイトに明け暮れていると、社会はレッテルだけでは受け入れてくれない社会へと変貌してきた。新市場主義の社会は年令型システムや学歴社会から能力主義社会へと大きく変化しているのである。
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