<111>グローバル化による科学分野の融合
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 4/3(日) 15:37:04  返信も含め全削除

1.社会科学の難しさと学習
 社会科学の分野は、人間の情愛や行動の中から共通点を見出し、その根底に流れる法則を見つけ出そうとする研究分野である。心理学や哲学、社会学、経済学、経営学等すべて人間の考え方や行動を数量化し、そこから共通点を探ることによって一定の法則を見出す研究である。しかし社会科学の難しさは、自然科学のように時代を超えた不変的な法則ではない分野の研究である。人間社会には時と共に変化する大きなうねりがあり、時代の変化と共にそのうねりの影響を受けて微妙な振幅が発生する。社会科学の研究の難しさはこの点にあるが、この微妙な振幅の変化が、その時代の社会現象の特色となって現われる。したがって、ビジネスマンにとって変化の振幅自体がビジネスチャンスに関係あり、社会科学の学習を怠ってはならないのである。

2.近年の社会現象のビッグッバン
 社会科学分野では時として大きな変化が発生する。しかも過去に経験したことのないほどの大きな変化が起きる。この大きな変化をビッグバン(宇宙の大爆発)と言っているが、近年の急速なグローバル化現象は、ビッグバンと言うべきである。このビッグバンは情報化社会によって引き起こされたものである。原始時代の人類は小心な臆病者であった。それは情報が不足していることに関係している。当時は自分が生きていくための最小限の情報を自分の力で入手しなければならない時代であった。この時代と比較すると現代社会は良質な情報化社会である。人類がこれほど自信をもって活発に行動できるのは、情報化社会であるからで、高度知能をもった人類は益々情報を頼りに行動する。今日のようなリアルタイムで地球上の良質な情報を利用できた時代は過去にはない。この点で情報化社会は人類にとって大きなインパクトを与えたのである。更に高度情報化社会に入り自然科学と社会科学の融合化が始まり、もはや自然科学と社会科学を分離して考えること自体も意味がなくなってきた。

3.自然科学と社会科学の融合化
 IT革命によって自然科学と社会科学の融合が始まった。今までは人間を二種類の人種に分ける傾向が強かった。大学でいうならば理科系と文系に分類し、理科系は自然科学を教育する分野であり、文系は社会科学を教育する分野としていた。社会に出ると技術系と事務系に二分して仕事をする。今までの社会は自然科学と社会科学がベースにして全てを二分していた。これが近年のIT化によって、人間の五感というセンサーで感知する情報(映像情報、音声情報、臭覚情報、味覚情報、触覚情報)をデジタル化することによって、二種類の人種の仕事が融合されてきた。デザイナーもパソコンを用いてデザインの仕事をするのは当たり前になってきたし、企業経営においてもIT化によって、自然科学分野と社会科学分野の融合でバランスが重要になってきた。

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