<114>スペシャリストを定着させるには
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 5/1(日) 12:59:10  返信も含め全削除

1.日本の人材は同質性という弱点を持っている
 過去の日本の教育制度は、平均的教育レベルを上げることであった。そのため学校は、平均人間加工工場でなければならなかった。小学校から特異な子供が嫌われ、皆と同じような考え方で同じような行動する子供を育成することであった。これらの教育を受けた大人は、平均人間を好み阿吽の呼吸で通ずる平均人間を好むようになってしまった。同じ共通の教育と文化を持った人間で構成すれば仲良しクラブとしては、これほど居心地のよい社会はないであろう。個人の生活文化の面で見れば最高の教育方法かもしれない。しかし、ビジネス社会では、グローバル化が進み異質なビジネス文化圏との混在時代に入ったのであるから、日本のビジネス文化を支えてきた平均人間製造工場で加工された人間では、必ずしも現代社会の力として通用するとは言えなくなってきた。これが日本のビジネス界の悩みであり、世界ビジネス界から見ると弱点になってきた。

2.世界中が競争相手の時代はスペシャリストが必要
 世界中の生産者を相手としてビジネスを展開する時代になったのであるから、あらゆるビジネス界が競争激化するのは当たり前である。しかも競争の度合いも多岐にわたり、品質、価格、形状的デザイン、意匠的デザイン等あらゆる分野で激しさを増している。競争する範囲が国単位であった時代や、地方単位であった時代と違って異文化圏との競争も視野に入れなければならない。この時代に日本人の同質性が優位であった時代から、同質性が弱点化する可能性が出てきたのである。長い間、同質性の教育が主流であったかあら、教育現場も同質性の教育から抜け出せないでいるのが現状である。日本は世界に通用する得意な分野に特化したスペシャリストを育成しなければならない時代の到来である。

3.スペシャリストの現状
 日本は古くから職人という技術に特化した専門家はいたが、スタッフとしてのスペシャリストの職域の概念がなかった。日本にとっては全く新しい職域の概念である。業界によっては早くからスペシャリストとして職域はあった。特に感性を重視する業界は諸外国からの導入が早かった。フアッションデザイナーとかスタイリスト等の活躍である。しかし、経営面におけるスペシャリストの導入が遅れており、日本では経営に関するスペシャリストの概念が依然としてない。しかし市場経済の競争が激化する中で、いよいよ経営に関するスペシャリストの要請が高まってきた。競争相手より更に競争力が強めるためには、各種の経営の専門的分野にスペシャリストが要請されるのである。このスペシャリストは、上司、部下の関係では命令形式で仕事をする職種ではなく、明快な理由によりトップから第一戦で活躍する担当者まで説得する能力が要求される新しい職種である。近年、日本では総合職、専門職という概念があるが、この分類には該当しない特殊な職域であるため理解が出来ないのかもしれない。今後、新しい経営体質には欠かせない新しい職域である。

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