<121>情報化社会に管理職が企業の盛衰を左右する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 6/19(日) 11:12:03  返信も含め全削除

1.情報化社会と民衆行動
 情報化社会になり日本社会で何が変わったか、それは民衆の行動であり最初に現れた現象が、民衆の多様化であった。この現象は人間行動の基本的現象を表している。人間は情報によって行動するから、良質な情報を与えるとその情報によって個々に行動する。これが多様化現象の始まりであった。旧共産圏の国々にも情報化の波が押し寄せ、政府が民衆をコントロールできない状況が出てきた。これは動物の本質的行動であるから、いかなる国であろうが、主義主張が異なる文化があろうが、動物に情報を与えると本能的行動として多様化してしまうのである。これは動物の普遍的な行動である。民衆の多様化行動は、集団主義の崩壊現象を同時に起こしていることを注意しなければならない。集団主義の典型的な形態が共産圏の国々であった。現在の北朝鮮に見られるように、政府が情報コントロールすることで、かろうじて集団主義が保たれている。しかし、人間の情報に対するパワーは何人といえども抑えることはできないのである。

2.情報化社会は企業集団にも大きな影響を与えた
 情報化社会の進展と共に民衆の多様化は止まらないし、国の形態まで変える力があるのであるから、企業経営という小集団にも大きな影響を与えてきた。それは多様化現象と同時に起きた集団主義経営の崩壊現象である。この多様化現象と集団主義崩壊の現象は本来同じもので、個人行動の形態から見ると多様化現象と見えるし、集団形態から見ると個々人が自分の情報で勝手に行動する現象と見えて、集団主義の崩壊現象に見えるのである。しかし人間の本質的行動は原始の時代から一貫して変わっていない。原始の時代の情報は、個人が個々に入手した情報が情報源であったから、集団化することによって情報交換が必然的に行われ、集団化すること自体が情報センターの役割を果たしていた。この時代にでき上がったのが人脈情報化社会であり、今日まで過去型人脈ビジネスの残骸として生き残っている。集団主義の崩壊によって、ビジネス手法や企業経営の仕方について、根本的に変革しなければならいことを迫られている。

3.企業内情報と新しい管理職の行動
 情報の少ない時代に出来上がった人的情報システムが、ピラミット型人的組織である。この組織の特色は縦型情報伝達組織であり、典型的な集団主義の人的情報システムである。しかも、命令という伝達手法によって上司から部下へ強烈に伝える方法をとるシステムであり、当時の管理職は声が大きく命令調で伝えることが必要であった。しかしこれは過去型の管理職のタイプであり、情報共有化によって質の高い情報を持っている部下に対して通ずるはずがない。管理職の役割が大きく変化しているのである。もはや管理職は自分が得た情報だけで命令だけで部下を動かすことはできない時代である。情報そのものより情報の加工法や利用法のアドバイスが重要となってきた。情報共有化によって情報の存在が前提であり、この時代に合った新しい管理職の行動が、企業の盛衰を左右し始めている。

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