<124>個人主義を研究しなければならない理由
新規投稿者 阿座上 洋吉  投稿日 7/10(日) 10:07:42  返信も含め全削除

1.近年の責任回避の行動が蔓延した理由
  バブル崩壊後に起きた近年のリストラ時代に責任回避の現象が増えてきた。それはリストラを理由とした人員整理に起因しているようである。自分がいつ整理されるかの恐怖の中で萎縮したために起きた現象である。当の本人は意識していないようであるが、無意識のうちに責任回避の行動をしている。過去にあれだけ責任感の強かった人材までが、いつの間にか責任回避の行動をとっている。よほど自信をなくしてしまったのであろう。集団主義の中で一旦責任回避の現象が起きると、集団全体が無責任集団化してしまう。バブル崩壊後起きたこの現象は恐ろしいほど広がりを見せている。管理職が部下に対して「自分で責任が取れるならやってみろ」という言動をよく耳にするが、管理職としての能力を疑いたい。本来は管理職が責任を取るから部下にやってみろと言うべきである。責任感の強いひとに仕事が集中し、無責任人間から仕事が逃げるものである。責任感の強い人間ほど存在感があって必要な人材となるのである。個人主義化が進む中で集団主義社会が崩壊し集団責任体制が蔓延してきた。

2.個人主義化は益々進む
 集団主義社会が崩壊する中で責任体制をどのように構築すべきか。一つは完全な成果主義型の能力主義に移行すべきである。日本の正社員族は一部の企業を除き、大部分の企業はいまだ完全な能力主義化の体制が進んでいない。年令型の給与をベースに、通勤手当や家族手当等各種の生活支援型の給与体制で、能力給を多少加味したに過ぎないものである。これを早く完全能力主義に切り替えなければ、個人主義時代の責任体制ができないのである。二つ目は、マニュアル制度の活用である。マニュアル手法は職種によって大きな責任体制の効果を上げることができる。中国で見られるようにマニュアル制度の成功例は、日本にもこれから定着すると思われる。日本の成功例は一部のチェーン店で見られるが、未だにマニュアル文化には馴染みが悪い。日本企業の中国進出で成功している原因は、採用時にドライな雇用契約があって、マニュアルに仕事内容が詳細に規定され、それを条件として雇用契約されている。責任回避は許されない制度となっている。

3.個人主義化の現象に揺れる日本企業
 近年の日本人は、長い間続いた集団主義の崩壊に揺れている。集団に欠かせない「和の文化」が機能しないのである。なぜ「和の文化」が破壊してきたのか。それは若者中心に個人主義者が増えたことが第一の原因であるが、繰り返しになるが情報化社会による影響が特に大きい。動物の特性として情報を与えると動きが活発化し、個人行動の範囲が拡大し益々個人主義化を助長する。更に、日本では一人っ子が増え個としての育ちは個人主義化するのは当たり前の現象である。中国の一人っ子政策の結果は日本同様に急速に個人主義化が進んでいる。これからの社会は個人主義化を前提にすべてのシステムを構築すべきであり、責任体制も個人主義化を前提に構築しなければ企業の存立さえ危ぶまれる。

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