新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 7/24(日) 10:58:08
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1.日本集団主義崩壊の現状
長い間続いた日本的集団主義は、現代社会において機能を失い卒業期を向かえている。それは新たに代わろうとしている本格的個人主義の台頭である。集団主義は構成員の結束によって威力を発揮するから、集団に求心力が作用していなければその威力は発揮することはできない。しかし、現代日本の世代別価値観の構造は、年配者は集団主義の価値観が強く、若者は自由な個人主義を好み集団統制を極端に嫌う者が多い。今や集団主義者の力量は相対的に弱くなってきた。集団主義全盛期の人的組織は軍隊組織と同じであり、隊長の号令で組織全体が動くピラミット型集団組織であったが、近年の人的組織は大きく変化してしまった。ひと頃の権力と組織が一体化したピラミット組織はほとんど影を潜めている。形式的にピラミット型組織に似ていても、実質的な中身は過去の組織と大きく相違する。もはや強烈な権力と縦割り人的組織は存在していないのである。
2.集団主義崩壊後の苦悩
日本には長く続いた集団主義の影響を受けた管理職が多く残っており、個人主義時代の新しいノウハウの研究が遅れている。多くの集団主義者達は個人主義者の扱いに戸惑いを見せている。家庭や学校、会社等あらゆる集団の苦悩が続いている。構成員が集団主義者であろうが個人主義者であろうが集団が無くなった訳ではなく、何時の時代であっても、人間がいる限り集団は必然的にでき上がる。問題は過去の日本人のような集団主義者のみで構成されるか、またはフランス人のような個人主義者のみで構成されるのであれば問題はないが、今日のように集団主義者と個人主義者が混在していることに大きな問題が発生する。若者を中心とした個人主義者は増加の一途であり、集団主義者は引退期が近づいているのが実態である。今日において集団主義者、個人主義者の価値観の良し悪しを論議しても意味がない。問題は共存するための研究が必要になってきた。
3.個人主義者の居心地
集団主義者達は、個人主義者の居心地の研究が必要である。勿論、個人主義者も集団主義者の居心地を研究してくれればよいのであるが、個人主義者が必要以上に他人の研究をするわけがない。他人の居心地を必要以上に気にするひとは個人主義者と言えないからである。個人主義者は自分の意思に忠実に行動するのであって、素直に自分の意思どおりに行動する自由人である。したがって、集団主義者のように上からの命令で動くタイプではないから、ピラミット型の人的組織で上司からの強い指示は苦手なタイプである。個人主義者の行動は、自分の好きな仕事や自分が納得した仕事については、集団主義者の数段上の仕事をする。これが仕事に対する個人主義者の居心地の良さである。この点は人生観や価値観の違いであるから、安易な議論で解決するものではない。集団主義者の管理職が自分の意思どおりに動かしたいとしても、現代若者の個人主義者には通じない。類似の手法としては、仕事の内容を詳細にマニュアル化し、その内容を提示した上で雇用契約するしかないであろう。
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