<145>市場経済の恐ろしさを甘く見てはいけない
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/18(日) 09:02:15  返信も含め全削除

1.近年始まった冷酷な市場経済の恐ろしさ
 近年の市場経済は、過去の国単位で動いていた時代の市場経済とは違い、地球規模で融合化して動いている。以前の市場経済は、国別の市場経済にそれぞれ特色がった。ビジネス文化は地域の習慣文化として発達したものであるから当然である。日本の市場経済にも独特のビジネス文化があった。これが近年のグローバル化の現象により、地球規模で各国のビジネス文化の融合化が始まり、世界市場と一体化して動き出したため、国別の特色が希薄化し地球規模で均一化が始まり、日本の市場経済もその影響を受け変化してきた。このような地球規模の融合化に現象は、人類が歴史上初めての体験であり新しい現象である。もはや過去の市場経済と同一視すべきものではなく、新市場主義として新しく認識しなければならない。日本の市場経済においての特色としての情緒的なビジネス文化や、人脈重視のビジネスとは違い、新市場主義はドライで冷酷なビジネス文化となってきた。今や市場を裏切ると市場から抹殺されるという厳しい制裁を受ける時代であり、これを表面上のだけの形式や言い訳が通用する時代でないことを留意すべきである。

2.建築構造計算の不正事件に見られる甘さ
 今回の建築構造計算に関連する一連の不祥事は、関係者全員が近年の市場を意識した行為とは思えない。関係者は表面上の形式論で合法的であると主張し、形式的言い訳で逃れることができると勘違いしている。過去の市場経済のルールであれば、形式的に合法であれは通用したし、不正が発覚しても形式的な悪者を処罰すればよかった。今回の事件も法律的処罰が形式的になる可能性もあるが、市場を形成している民衆は実質的内容で判定するため、市場は強烈に制裁するであろう。市場の制裁とは法律的制裁のことではなく、市場において実質的に信用を失墜させ、結果的にはビジネス市場から抹殺される。今回の事件についても多くの関係者は、市場から抹殺されることは間違いない。このように冷酷な市場経済は、過去の市場経済とは大きく相違していることを物語っている。

3.冷酷な市場経済制裁の仕組
 このような冷酷な市場経済制裁の仕組みはどのようにして出来たものであろうか。市場経済とは情報化社会を前提として成り立っている。市場経済が発展するためには、市場に関する情報が自由に入手できる環境が必要である。ビジネス行為は情報によって行動するためである。適切な情報がなければ経済活動は活発化しないのである。したがって、市場経済は如何にビジネス情報が重要であるかが分かる。一部の社会主義の国では情報をコントロールされ実質的な情報が入手できない国があるが、これでは市場経済が適切に動くはずがない。市場経済は情報化社会を前提としているため、情報に多くの民衆が連鎖して反応する社会の特色がある。もし市場を裏切ると民衆は決して許さないのである。今日のように情報化社会を武器にして民衆が力を発揮する時代になったことが近年の市場経済の特色である。市場経済の制裁は法律の形式的制裁と別に、実質的で強烈に作用するのである。

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