<146>計画経済と市場経済を徹底比較検討する
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 12/25(日) 13:44:32  返信も含め全削除

1.計画経済の仕組み
市場経済と対比させて(或いは批判として)考えられた経済の仕組みが計画経済である。すべての国民の経済活動を、あらかじめ政府の計画によって決めて置くことから計画経済という。計画経済は社会主義圏の国実施され今日に至っている。この計画経済は計画の段階が重要で特に資源の適正配分が重要である。計画の良し悪しが即、国の経済を左右するからである。消費者としての人口から衣食住の必要量を推測し、資源数の適正配分等によって経済活動に関する計画が立てられる。計画書は経済活動を始める前に作成するのであるから、政府によって統計資料を駆使して計画が練られる。計画書が作成されるやその数値は実現可能な目標値として利用される。なぜなら計画書を下回われば失敗を意味することになり、そのため達成可能な計画書でなければ現実的ではない。常に達成可能な目標値の性格を持つ必要がある。更に計画書は目標値でありながら命令書の意味を内包する。計画書にしたがって行動することが義務付けられるため、実質的に命令書に変身する。

2.達成可能な目標値をクリアできないのは何故
 社会主義圏の国の生産現場は達成可能な目標値の設定が重要である。然るに計画経済を採用している大部分の国では、目標値に対して達成可能な状態にならず苦慮していた。計画経済を採用した時点から重要な仕組みが機能しないことが続出していた。そのため生産現場に目標値の看板を大きく掲げ、達成すれば褒賞金制度まであるとして競争心を煽りたてた。これでは市場経済の競争原理と何も変わらないではないか。本来、財産を共有化する仕組の共(有財)産主義は、人類の本能である競争心の遺伝子を無視したものであり、財産獲得競争に関するものから競争原理を除いてしまうと、政府の強い命令があっても人間は動かないということである。人類は個人レベルであれ集団レベルであれ、競争原理を除いてしまうと勤勉さを失し、競争状態にしないとやる気や勤勉、根性論等の動物本能の現象が消滅してしまうのである。共有財産主義における計画経済は、人間の本能を無視したために起きた現象であり、社会主義圏における計画経済成功例がなかったことがそれを証明している。

3.人間の自由な経済行動を前提に仕組んだ経済活動
 市場経済とは経済行為について出来得る限り規制を排除し、原理的には規制ゼロの環境下で行われる経済活動の制度である。このような完全市場経済は世の中には存在する余地はないが。経済活動を完全に自由主義化したとすれば原理的には、完全市場経済という仕組は存在する。これに対して完全な計画経済があるとすれば、計画される段階では計画書であるが、実施の段階では命令書に変身する。命令に従わない場合は制裁が待っている。その意味で計画経済とは100%の規制社会の塊である。また100%非規制社会が市場経済であることになるから、両者は両極端に位置しておりあい受け入れない関係にある。しかし、両者の間には中位点があって市場経済を採用しながら諸外国では規制をしているし、規制社会と言いながら多少の自由度が存在する。その意味で、完璧な規制社会も非規制社会双方共に存在しないのである。

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