新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 1/29(日) 17:31:35
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1.保守的人材と革新的人材に分かれる現象
人間はなぜ保守化するか。歴史的にみて社会は環境変化の連続であったが、人間はその環境変化に順応するようにできている。その意味で人間は変化に対する順応の名人である。昔から住めば都という言葉も順応することを意味している。環境変化に対する順応能力は人間だけのものではなく、すべての生物が身につけているものであり、DNAに組み込まれた進化への情報にしたがった行為であるから、順応行動は人間の本能的な行動でもある。この環境変化に対して順応する能力については、敏感に反応する生物と鈍感な生物に分かれるが、人間は他の生物に比較して敏感に反応する特性を備えていたため、進化も速かったし高度な能力を身に付けることができたのである。さて、人間族も環境変化に敏感なタイプと鈍感なタイプに分かれるが、環境変化に敏感なタイプのひとは革新的であるし、環境変化に鈍感なタイプのひとに保守的な行動をとる人が多い。
2.保守的な人材は必然的に出現する
人間が保守化する一番の要因は、情報に対する対応能力にも関係がある。同じ情報を入手しても重要と感知するか、重要情報と感じないかの差異が生ずる。これは人間としての個体の特性の問題であるが、生物学的には年令によっても感知能力が強い年令もあれば、感受性や感知能力が鈍くなる年令になればその影響を受ける。この生物学的感知能力の変化は、多少の学習によって補うことはできるが、基本的には避けることができない現象である。この点で年配者が保守的になる現象には必然性があり、重要なポストにいる人材は十分に認識しなければならない。これは個体の能力の問題ではなく生物本来の宿命であるから、生物学的視点で判断すべきことである。それなりの年配者になりながら、管理職として能力を認められている人材もいるが、生物学的特性を十分に熟知し、感知能力が豊かな若い人材をマネジメントすることで高い評価を受けているひともいる。これは生物学的特性を熟知しているからその対応が適切にできるのである。
3.ピラミット型人事組織では保守化が進む
社会の変化やビジネスの環境変化は、常に変化しているのが通常の姿であり、特にグローバル化社会になってからは、環境変化のスピードは上がる一方である。このような時代には革新的人材の要請が強くなる。しかし過去に革新的であった人材でも一定水準の成功を治めると、その現状水準を維持する意識が作用し、結果的にその行動自体が保守的となる場合が多い。この保守的現象が従来型のピラミット型人事組織の中で起きる場合は、管理職が保守化の要因として現われるケースが多く、そのためピラミット型人事組織を通して企業全体が保守化する要因となっている場合が多い。これに対して近年はネットワーク型組織の研究が進み、保守化した人材と革新的人材がネットワーク上の組織で平坦な結び付きに変り、能力バランスの取り方の研究が進んできた。従来型の古いピラミット型人事組織を根本から見直す時期にきていることは間違いない。
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