新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 2/26(日) 09:26:41
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1.法的権利が伴わない知的財産
法的な権利がある特許権や実用新案権、意匠権、商標権、著作権等は、無形の財産として広く認識されているが、法的権利を伴わないものでも十分に知的財産として機能するものがある。それは高品質のものを作り上げるシステムや、効率の良い段取りシステム、作業効率化システム、安全性を高めるための危機回避システム、下請け支援システム(専門工事業利益確保システム)等、通常業務の中で優れた部分を高度化するシステムは、法的権利がなくとも洗練された高度な技術として無形の財産価値として機能する。これを一般的にノウハウといい、市場において売買もさているノウハウも数多く存在する。いつの時代であっても優れた評価をうける企業は、優れたノウハウが沢山企業に蓄積されている。
2.無形財産の蓄積が難しい理由
知的な技術や洗練されたシステムは重用な財産であるが、無形であるが故に一般的に企業に蓄積することが難しいと思われている。特に高度成長期までの日本人は、無形のものに対する価値を認めない習慣文化が長く続いていた。高度成長期までの日本の一般大衆は物質的に貧乏であり、今日のように物質的に豊かな時代ではなかったのである。したがって物自体には価値を認めるが、無形なものには財産価値を認めなかったのである。諸外国では以前から無形なものでも財産価値を認める習慣文化があり、医者に電話で相談しただけで、当然のように医者から医療費の請求がされる。日本では無形のものは奉仕として認識され、無形の技術的なシステムを財産価値として認めない習慣文化があり、知的財産として認識されなかったのである。そのため知的財産が企業に蓄積されることが遅れてしまったのである。近年、ようやく企業力の評価に知的財産が重要であることに気付き、積極的に知的財産作りを意欲的に進めている企業が増えてきた。
3.知的財産の蓄積への条件
技術的システムが知的財産として企業に蓄積されるためにはいくつかの条件がある。第一に作業の標準化が必要である。知的財産が企業の共有財産として蓄積するためには、標準化されていなければシステムとして蓄積することができない。そのため作業の標準化は非常に重要であることを認識しなければならない。第二に企業に蓄積された知的財産は、共有により全員で共同利用することが目的であるから、知的財産の価値を全社員で理解しなければならない。そのためにも社内に公開され理解を深めることが重要である。この情報公開が他社に漏れるという恐怖心から十分に公開されない場合があるが、法的権利ではないのであり、いずれは外部に漏れることは覚悟すべきである。知的財産は他社より早く蓄積し高度利用することで、更に進化させることが重要であり、その結果で他社より強い企業へと成長し、市場経済における競争力のある企業に成長するのである。すべての業界で強い企業の共通点は、知的財産の質と量で決まっていることを留意すべきである。
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