新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/14(日) 10:49:16
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1.大きい敵と小さい敵とは
大きい敵とは、敵が集団化していることを指している。集団には、企業という集団もあれば、宗教集団もあり、最も大きなものとしては国という集団がある。大きな集団同士の争いは戦争あるいは戦争的である。一方小さい敵とは、個人としての敵であり、個人の争いは喧嘩といっている。人間は何故このように争いばかりするのであろうか。地球上に生命体が発生してからの生物間の争いは宿命的なものであろう。進化という生命体の現象自体が争いに勝つための秘策であり、進化は生き延びるための生物体の宿命である。争いの相手が個人であろうが集団であろうが、争い自体は生命体の宿命であるから消えることはあり得ない。見方を変えれば争いが生命体の原動力であり、仮に争いが消えた生命体があるとすれば、その生命体は地球上からも消える結果となるであろう。良い意味での勉強や努力ですら、争いの本能が原点となっており、それから派生したものであり。このように生命体の争いの原理は、競争心が根底にあるからで消えることはないのである。
2.大きな敵を見失った時の悲劇
戦争や宗教集団の争いの敵が消えた時点で、遺伝子に組み込まれた競争心が異常現象を起こす可能性がある。他の競争者に負けてはいけないと指令する競争遺伝子は、大きな集団の敵が消えた時点で、個々に分散化した争いとなって現われる。日本の現状は戦争もなければ諸外国のような宗教戦争もなく、大きな敵が存在しないから、その意味では世界中で一番平和で幸せな毎日を過ごしている。しかし、大きな敵が存在しない状況下での競争遺伝子は、分散化して個々人に蓄積され濃密化される結果となっている。そのため個々人の陰湿的なイジメ等の個人的戦争が増加する結果となる。大きな敵が存在する場合は、味方同士が仲間として集団化するため、集団内部では必然的に仲間意識が高まり、集団内部の和の環境が整い個々人の争いが激減する。地球上の争いの総量は常に一定量であり、大きな敵にしても小さい敵にしても地球上の敵の総量は変わらない。「生命体競争心不滅の法則」である。オリンピックのようなガス抜きシステムをもっと研究しなければならないのであろう。
3.市場経済における大きな敵と小さい敵のバランス経営は
地球上の生命体の競争心不滅の原理が作用する以上、競争心不滅の法則を如何にバランスよく利用するかが人類の知恵である。市場経済は、大きな敵と小さな敵がバランスよく混在した社会構成である。社会主義における計画経済は強力な政府が市場をコントロールするのに対し、市場経済は民意の競争心に任せる仕組みである。市場経済における大きな敵は、企業集団同士の戦いとなる。集団と集団の戦いが強烈に作用する場合は、集団内部が団結し仲間意識が高揚する。しかし近年の日本は、従来とは環境が大きく変化しており、集団内部にも能力主義という個々人の争いシステムが導入されてきた。つまり従来型の集団主義における「和」の理念が作用し難い環境になってきた。能力主義についてはまだ完全な形態にはなっていないが、その過渡期にあることは間違いない。大きな敵と小さい敵の環境の中で、経営学的に新しい視点の研究が必要になってきている。
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