新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/21(日) 16:47:15
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1.企業が成長することは、競争相手から見ると大きな敵となる
市場経済は、常に競争相手が存在するから当然企業間では熾烈な争いが発生する。そのため企業は競争相手に勝てる体力(財務状況)の増強を図らなければならないし、常に技術も磨かなければならない。そのためには思慮深い計画と懸命な努力が必要である。市場経済は常に競争相手が存在することを前提として成り立つ経済社会であるから、企業の生命を継続するためには企業のDNAが中断されないような行動が要求される。企業としての生き残りの原理は、自然界の生物が自分のDNAを中断されないように子孫に承継させる行為を、一生懸命に努力するのと非常に類似しているし、攻撃は最大の防御であると言われる行動も同じである。市場経済の中で企業経営を防御するより攻めの経営が必要になるのはそのためである。企業が競争を意識して常に競争力を強化し成長し続けるのもそのためである。
2.市場経済の大きな欠陥
市場経済には大きな欠陥が存在する。経済活動自体が競争原理を前提とした仕組みであり、その競争原理が無限大に作用する仕組みが市場経済に組み込まれており、同業他社を意識的に攻撃しているか否かは別にして、結果的に最強の企業力を目標として活動することが要求される。仮に競争に勝ち残り一社独占になったとすれば、競争原理が作用しなくなり、市場経済のシステムが機能しない結果となり、社会主義における計画経済と同じ状況下になり、競争社会が消滅し市場の活力が失われ、社会全体の経済力が失われてしまう結果となるのである。これを防ぐために独禁法によって企業を分割し、人為的に競争相手を創出し競争原理が作用する仕組みを取り戻さなければならない。近年のグローバル化した地球規模の市場経済は、国の枠を越え多国籍企業や無国籍企業が現われており、地球規模で競争原理が無限大に作用する時代になってしまった。これでは従来型の国別法律の機能が十分に作用し難い状態になってきている。今後の地球規模における市場経済の大きな課題である。
3.それでも競争社会で勝ち残らなければならない
市場経済には多くの欠陥があるが、しかし市場経済に代わる新しい経済システムの研究が進んでいるわけではない。企業は当分の間、欠陥だらけの市場経済の中で生き延びる方法を考えなければならない。その点で日本の企業間の競争については、競争力という点でそれなりの力が付いてきたと言えるが。しかし人材の面から見ると長い間続いてきた日本的経営の特性を持った人材であり、もう少し意識的にグローバル化社会の競争原理に対応できる人材へ転換する必要がある。今、日本人に求められている最も重要な転換は、日本人全体の労働価値観の転換である。集団主義における年功型のシステムから抜け出せないのが現状であるが、年功型の人事システムにも良い点は多々あるが、グローバル化した社会では能力主義人事の導入は時間の問題であることは間違いない。社会主義国で失敗した年功型人事システムが、世界の中で日本だけに残るとは原理的にあり得ない。この転換は痛みが伴うが、どうしても通り抜けなければならない関門である。
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