新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 5/28(日) 18:55:31
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1.なぜ近年、格差社会が論議されるか
近年、格差社会化の現象が急速に進んできた。これまで平均的に成長してきた日本にとって大きな関心ごとであり、盛んに議論されるようになってきた。本来、格差社会は市場経済の一般的な現象であり、論理的には市場経済を選択したことに原因があるのである。これは日本だけの現象ではなく、市場経済が地球規模で広がった今日では、地球上のすべての国の現象である。世界中に激しく市場経済の波が押し寄せ、すべての国で格差社会の現象が起きている。しかも超グローバル化による競争の激しさは、益々厳しく作用してきたため、どの国も例外なく格差社会の現象に悩まされている。格差社会に入ると勝ち組負け組みが発生し、犯罪の発生要因になるため、格差社会は人類にとって大きな課題である。共産主義も格差社会を無くすためにマルクスやレーニンによって工夫されたが、無競争のシステムが経済に機能しなかった為に失敗したのであり、未だに市場経済に代わる経済システムが研究されていないのである。
2.各国が孤立していた時代の各国のビジネス文化
日本の高度成長期は、平均的な成長を遂げ、あまり格差社会にはならなかった。近代国家の成長として大成功したのである。これは当時の世界情況が、今日と比較してグローバル化の初期段階であったため、国別の経済単位が明確に孤立しており、各国のビジネス文化の特色がその国だけで作用する時代であった。したがって競争相手は国内の企業だけであるため、同じ土俵の中で同じビジネス文化を持った日本の企業同士の競争相手であったため、日本的経営と言われる年功序列や年功型賃金、ピラミット型人事組織等日本的ビジネス文化が十分に機能したのである。そのため日本的経営文化の中で、比較的格差が少ない状態で成長することができたのである。
3.超グローバル化社会で始まる本格的格差社会
何故、日本的経営の手法が急速に機能しなくなってきたか。これは、超グローバル化現象による世界のビジネス文化の融合に関係がある。日本的経営の特色は、年齢を基準とした賃金制度が基本となっているため、社内が能力主義にならない特色があった。そのため企業内は賃金格差が比較的少ない制度であり、これを企業内社会主義と呼んでいる。企業間の競争は、市場経済であるから競争原理が作用するため、日本の市場経済の発展は、社会主義のシステムを取り込んだ企業内経営と、企業外部の競争を前提とした市場経済が、双方バランスよく組み合わさった経済システムであり、世界でも稀に平均的成長を遂げることができたのである。しかし今日の世界市場は、超グローバル化の現象で世界市場が一体化したため、日本の企業内社会主義的経営手法が急速に機能しなくなり、良し悪しは別にして超グローバル化した社会では、本格的格差社会が激しく作用する時代が始まったのである。
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