新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 6/25(日) 10:00:47
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1.自給自足の時代から積極的な生産行為への転換
地球上の生物は、人類を除けば未だに自給自足によって生き延びている。人類も長い間、他の動物と同様に自給自足の時代があったが、その自給自足も自らの手によって生産したものではなく、自然界が提供してくれた果実等を採取したもので、それは自分の生命維持のための本能的行動である。そのため衣食住の中で生命維持に一番重要な食料確保が中心であった。人類の自給自足の初期時代は、多くの生物と共通する食料のため、常に争いが起きる時代であり、弱肉強食の状態であった。その後に積極的な生産活動の時代に入り、現在のような栽培農業や家畜の飼育による生産行為が行われるようになった。この栽培等の人間の手による積極的生産形態時代こそが、近代経済の基になった生産行為を学習した時代である。人類が頭脳を進化させたことが、豊かさへの挑戦となって現れてきたのである。
2.豊かさへの挑戦と市場経済の原理
食料の確保が採取手法から栽培手法に変わっても、自給自足の時代であれば、余剰な食料を確保するという意識はなく、この時代の行為は経済活動とは言えない。人類が豊かさを享受する手段として、余剰な食料等を物々交換することを考え出したことが、今日の市場経済の原型となったのである。採取時代であっても果実等を採取することが得意な者、動物を捕獲することが得意な者等、自家消費を上回る食料を確保し、それを交換にまわすことで交換者双方が物質的に豊かになることを学習したのである。豊かになることを体験した人類は、自給自足時代から一挙に物々交換時代に突入したのである。そのため自然界からの採取より有利な栽培や家畜の飼育を積極的に生産するようになった。この段階で果実採取を得意とする民族が農耕民族となり、動物の捕獲を得意とする狩猟民族が遊牧民族となったのである。つまり食料取得行為について効率よい生産性が要求された時代になり、近代経済の基となる生産性向上の時代を向えたのである。
3.物々交換が市場経済の始まり、市(いち)の誕生
自家消費を上回った食料等は他の食品等と交換されるが、この物々交換は市場による経済活動であり、これが市場経済の原型であり、この時代を交換経済時代という。交換経済時代にはいると自家消費のための生産よりも交換を意識した生産となり、より豊かさを享受する手段としての生産に発展したのである。生産された産物は効率のよい交換の場所が必然的に発生するが、これが市場(いちば)であり、日本の地名にも残っている一日市、二日市・・・という地名は、市(いち)を開いた日がその地名となったものである。このように市で行われる物々交換は、次から次へと拡大し大きな経済活動として発展したのである。この市は商業活動の原型になっている。商業活動は商業自体が広域化する要因を内包しており、今日の地球レベルまで広域化する必然性があった。このようなグローバル化現象は、人類が物々交換を考え出した時点で予定されていたものである。
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