<180>ドライな新市場主義と人間の情緒的側面
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/8/20(日) 10:20:06  返信も含め全削除

1.頭脳の進化による人間の情緒的豊かさ
 人類の進化は、肉体の進化ばかりでなく特に頭脳を進化させたことに特色がある。この頭脳の進化によって情緒的で感情豊かな生活を送れるようになった。人間は感情の動物であると言われるのも頭脳を進化させたことにより、感情の豊かさを感じ取る能力を身につけたことである。これによって他の動物より高度な精神的文化も構築することができたのである。豊かな恋愛をするのも頭脳進化の産物である。このように豊かな感情や人生を送れるのも頭脳の進化のおかげである。日本は成熟社会に入り、益々人間として幸せを感ずる情緒的な部分を重視しなければならない時代になってきた。しかし一方において、情緒的側面には陰湿な部分もあり、新しい悩みを増殖させる結果となってしまった。情緒的反応も陰湿な部分が過度に作用するとイジメとなり、これも頭脳進化の産物であることを注意すべきである。

2.情緒的ビジネスの良し悪し
 人間の特性は、感情の動物であり情緒的でウエットな行動が多い。本来人間の行動としては情緒的なビジネスの手法が最もふさわしいかも知れない。取引が完了すれば「お世話になった」としてお礼のご馳走もするし、時期が来ればお世話になった気持ちを中元や歳暮で表現する。情緒的で人間性豊かな行動として微笑ましい行動である。しかし、この情緒的行動にも限界があり、限界を越えると過度な接待ビジネスという人脈に対する過剰な行為もあり、当然、行き過ぎた事例も多く見られるのである。悪く言えば接待付けという行為に及ぶ場合があり、人間の微笑ましい情緒的特性の限界を越えた行為まで発展してしまうのである。

3.人脈ビジネスと不公平
 情緒的ビジネスの最大の欠陥は、過度な人脈重視に陥ることである。人間関係が濃密な人脈ビジネスと、人脈関係がないビジネスには差別化が生じてしまうことである。この差別化がビジネス戦略として意図的に行われる場合もあるが、人脈の関係者にはビジネスが有利に作用し、人脈のない関係者にはビジネスが不利に作用する結果となってしまう。しかしこれらの現象を広い視野で市場を観察すれば、市場において不公平という差別化現象が起きていることであり、グローバル化した世界の市場経済において許されない行為となるのである。このような過度な人脈ビジネスによる差別化は、下手をすれば人種差別すら引き起こす可能性をはらんでおり、これらの失敗は過去の市場経済の歴史上経験したことである。

4.新市場主義の国際基準
 近年のグローバル化した世界市場においては、取引相手が国や人種、民俗等を越えて、何人に対しても公正、公平でなければならない時代が到来したのである。世界の民衆の前で「良いものを安く」という市場の国際基準ができ上がったのである。これからは人間の特性である情緒的な豊かさの追求と、差別のない公平公正のルールがドライに機能する新市場主義の価値観の潮流が出てきている。情緒的な豊かな生活観と冷酷なぐらいドライなビジネス観が要請される時代が来たのである。

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