新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 06/10/1(日) 15:35:06
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1.孤立型人間の行動
日本人に孤立型人間が目立つようになってきた。商業における顧客という用語は、客の中でも上得意の客という意味であるが、近年、顧客を個客と言う字で表現する方が適切ではないかと言われだした。それは個人行動が多様化し、個人の行動が掴みづらい時代になったため、共通する顧客集団の捉え方が難しくなってきた。そこで個々人の多様化した行動を社会学的背景と共に分析し、従来から継承されてきた集団の規範やモノサシの違いを整理する必要がでてきたのである。
2.習慣や慣習、文化の視点で整理
人間はその時代や社会背景で形成された習慣や慣習、文化を身に付けるものである。今、この習慣や慣習、文化が時代背景の変化で大きく揺れている。そのため習慣や慣習、文化の定義と揺れている要因を分析整理する必要性がでてきた。習慣とは、主として個人的な行動に関するもので、自分で何時でもしている事が自然に決まってしまい、これが個人の習慣となり自分の通常の行動パターンとなるものをいう。これに対して慣習は、文字がひっくり返っているが少し意味が違っている。慣習とは、一定の地域社会に関するもので、ある行為につては、昔から継承された考え方や行為が決まっていて、社会通念としてそれに従うことが要求されるものをいう。また、文化とは、一定地社会における集団の共通の価値観を反映した活動様式をいうのである。
3.社会環境の変化の影響を受ける習慣、慣習、文化
人類は今日ほど外部から習慣や慣習、文化に対する大きな影響を受けた時代はない。それはグローバル化現象による世界文化の交流であり、結果的に世界中の慣習や文化を知ることとなった。その慣習や文化の中には、個人や地域にとって直ちに馴染むものもあり、個人の習慣にまで大きな影響を与えている。この現象は、個人レベルの多様化に大きな影響を与え、特に個人の価値観を多様化させ、個性派が増える要因ともなっている。この点で過度な多様化現象も見られ、個人を孤立化させた要因にもなっている。
4.子供社会に起きた孤立化現象
一人っ子で個室育ちの子供たちは、過去の子沢山時代と比較すれば、基本的に孤立型人間になる環境で育てられた人種である。このような子供社会の環境は、孤立型人間になる必然性があり、それによって過度な個人主義化が進むことも当然である。子供たちからすれば、通常の行動自体が孤立型の行動になっているのである。そのため集団主義の慣習や文化を持つ大人社会から見れば孤立型と見えるが、子供たちから見れば通常の行動である。
5.大人社会の苦悩
集団主義の規範がある大人社会からすれば、孤立型の子供や若者は気に食わない存在であろうが、孤立型の子供や若者は大人社会によって作られた孤立型人造人間である。いまさら不満を言っても仕方がないのであり、益々増える孤立型人間と共存することを積極的に研究すべきである。育児や教育に対する適切な対応策や企業における孤立型人間の戦力化等、孤立型人間のパワーを引き出すための研究が必要な時代である。
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