<197>いじめに類似する喧嘩の現象
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 06/12/17(日) 16:17:55  返信も含め全削除

1.喧嘩はフェアな環境で起きる
 喧嘩の良し悪しを別にして、喧嘩は、対立する一方が理不尽な行為を押し付けた場合に、精神的に不満が増殖し苛立ちが限度を越えると喧嘩に発展する。性格によって相違するが、理不尽なことが喧嘩のきっかけになることは確かである。また、人間は自分の立場を優位にしたいという特性をもっており、自然に対立構造が出来上がってしまう。この喧嘩時における両者の立場は、力の差が少なくフェアな状況下で起きることが一般的である。地位や腕力、勢力等に、決定的な差異がある場合にはいじめの範疇に入る。仮に、企業における上下関係があったとしても、下位の者が会社を辞めることを決断した後の場合は、その時点で対等の環境下になるため、双方の立場はそれほどの優劣がなくなる。したがって結果を別にすれば、双方の立場が対等で行為に及ぶ特色があり、力量に落差が少なくフェアな状況下で起きるため、第三者の仲裁で収まる場合があるが、いじめの場合は一方的であるから仲裁という行為ではなく、制止という行為に代わるのである。

2.子供は純粋だから我慢できない
 一方的に理不尽なことを押し付けられた場合でも、大人であれば表面的には平静を装い、内心は腹が立っても我慢することが多い。これは我慢しなければ、更に不利な状況を連想し計算するからである。これは本音と建前を使い分ける訓練がされているためで、本音では理不尽なことに不満であるが、表面上は理不尽なものでも受け入れる訓練ができているためである。しかし、子供は純粋であるがゆえに、自分の心に対して正直に行動する。だから理不尽な行為には我慢することができないのである。

3.子供は正直だから喧嘩になる
 子供は、理不尽なことを押し付けられると、自分の心の苛立ちを正直にとらえ、素直に反応するため対等の環境では喧嘩になる。自分の感情を抑えられないのは未熟であると言われれば、それまでの話であるが、見方を変えれば、子供は常に正直に本心のままに行動するのである。喧嘩を奨励しているわけではないが、純粋な子供にとって大人のような喧嘩の結果を損得の計算はしないため、自分の心に正直な行動として喧嘩になってしまうのである。このようにして子供の喧嘩は、古今東西を問わず世界中で、子供の喧嘩は絶えないのである。

4.喧嘩といじめの事例研究
 フェアな状態で起きる喧嘩であればよいが、結果は紙一重の現象となるのである。例えば、親がお菓子を兄弟に公平に分け与えた場合に、幼児の弟が先に食べてしまい、兄が大事に残したお菓子まで食べようとして喧嘩になったとする。この場合に理不尽な行為は弟にあるが、弟はお腹が空いて自分の生命維持のための本能的な行動である。弟は幼児であり所有権の意識はなく、兄は所有権の意識が芽生えているための自己主張である。この事件に対して大人のあなたはどのような仲裁をするか。年上を理由にするか、弱者を理由にするのか、体力格差を理由にするのか、知識レベルを理由にするのか等、視点を変えれば判定が違ってしまうのである。人間以外の動物界であれば、体力勝ちが自然界の掟である。幼児の弟の行為は自然界の本能的な行動である。

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