新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/1/21(日) 09:29:39
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1.少子化時代に友達親子が増加した
貧乏人の子沢山時代には、親子が友達関係になることなどあり得ない時代であった。親子が友達のように仲良くする関係は、理想に近い親子関係であるとする考え方であろう。親子が仲良くすることは大変結構なことであるから、批判するつもりはないが、友達親子関係で育った子供が社会に出た時点で厚い壁に遭遇することは間違いない。何故なら現実の社会では、大きな声で号令を発する集団主義者の先輩が支配しているからである。その集団内部は上下関係が現存しており、上司と部下の関係が友達関係になることはあり得ない。そのため、友達親子育ちの若者が社会で最初に遭遇することが厳しい上下関係である。友達親子の関係や友達先生の関係で育てられた若者であるから、水平型の人間関係しか経験しない若者にとって、強い上下関係は居心地が悪く耐えられないのである。これは子供時代の育ちの違いからくるもので、若者のせいではなく、友達親子の育ちで仕立てられたもので、現代若者はこの時点で面食らってしまうのである。
2.絶望感を味わう現代の若者
友達親子の環境で育った若者にとって、強烈な垂直型の上司との関係で絶望感に襲われ、極端に感ずる若者にとっては、自分は上司によって潰されてしまうという感覚になるという。それでは自分がだめになる前に辞めなければならないと思い、フリーター化する若者が結構多い。これほど友達親子の関係で育てられた若者は、社会に出た時点で強烈な上下関係を初体験する。これは若者に問題があるのではなく、若者は親の望みどおりに素直に友達親子に馴染んで育てられたのであって、むしろ自然なかたちで素直に育った結果である。この若者の対策として一頃の人事担当者は、学力より上下関係に馴染む若者を探し求めた時代があった。親子関係は友達関係で育っていても、運動系のサークル活動の体験者であれば、先輩後輩の上下関係で訓練されており、運動部に所属した経験のある学生の採用に、関心が高まった時代があった。しかし、今日ではその運動部も一頃の厳しい上下関係がなくなり、上下関係に馴染んだ若者を確保することが難しくなった。
3.管理者の価値観に合わない若者
現代若者の育ちからくる価値観と上司の価値観には大きな差異が生じてしまった。特に50歳後半以上の年配者は、儒教思想の上下関係の精神が承継されおり、儒教精神は中国で生まれ朝鮮半島を経て日本に伝来したもので、目上の人を尊敬すべきという思想であり、儒教精神は現在韓国に根強く残っており、親や目上のひとには従いなさいという精神である。特に教員に対しては「三歩下がって師の影踏まず」という教えがあり、先生には約1m以上は離れて影すら踏んではいけないという教えである。この儒教の思想は、上下の垂直関係を重視する思想であるから、友達親子の水平関係とは両極にある思想である。この上下関係の思想は、集団を統括するための思想として有効に作用し、貧乏人の子沢山時代には大きな成果があったのである。当時は集団の規律が機能しなければならない時代であり、親の号令で子供全員が規律正しく行動することが必要であったから、子供は勝手に行動することは許されなかった時代で、現代一人っ子社会の環境とは比較する問題ではない。
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