<204>しつけと言う名のいじめは紙一重
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/2/4(日) 14:34:13  返信も含め全削除

1.親によるしつけ(躾)について
 親による子供のしつけとは、躾という字が示すように、身を美しく見せるためのものと言われている。一般的に親が子供に礼儀作法を教えることをいう。したがって、形式的には動作の形態や言葉使いについて教育することを言うのであるが、実質的には家庭内において子供に伝承され大部分は、家庭における親の習慣文化そのものであり、子供は親の言葉使いや行動等の仕草が身についてしまうものである。その結果親の習慣文化そのものが子供に伝承される結果となる。したがって、よく言われている「子供のしつけがなっていない。」という意見があるが、その大部分は親の子供に対する意識的に行うしつけ(躾)によるものではなく、親の日常的な習慣文化の不適切な部分が伝承されることが問題なのである。

2.親のしつけ(躾)といういじめ
 近年、幼児虐待がよく起きているが、その時の親の言い分は「子供に対してしつけ(躾)をしていたのであって、子供の虐待ではない。」と言う言葉が聞かれる。しかし実質的には親による幼児虐待の場合が多く、幼児に対するいじめである。これらの幼児虐待事件に共通している点は、親の生活環境に問題があり、生活環境が相対的に悪い状況下で起きている。親の精神状態がいらいら状態の不安定な状況下で起きることが多い。その時の親の生活環境の劣悪さから強いプレッシャーによって、ストレスが蓄積し、そのはけ口として弱いものに向けられる結果、幼児虐待となって現れる場合が多い。この幼児虐待と同レベルで発生するのに動物虐待があるが、ものが言えない動物や弱い立場の幼児を虐待するのは理不尽であり、許すことはできないが、その行為に及ぶ当事者が知っていながら起きてしまう。それほど強烈なプレッシャーが作用するためである。なんと人間は哀れで悲しいものであろうか。きっと親である本人も助けを求めているに違いない。これもDNAに組み込まれた競争遺伝子の作用であり、人間は負けたままでは生きられないように設計されているためである。

3.人間の健全さが重要
 昔から健全な身体には健全な精神が宿るといわれているが、健全な身体を維持するためには、経済的にも最低限の財力もなければならない。しかしビジネス界は益々激しい競争原理が作用する時代であり、格差社会が地球規模で広がりを見せている。この状況下では将来に対して経済的不安が増すばかりで、経済的プレッシャーは高まるばかりである。この点で精神的不安定化は避けられそうにもないのである。そのためストレスの蓄積が進むばかりであり、大人社会の精神的不安定さは更に増す可能性が高くなってきた。この環境下で子供に対する虐待も起きており、これが子供社会に伝播し、子供の精神状態も決して良くないのである。その意味で家庭での子供の虐待や、子供社会のいらいらを招き、子供同士のいじめの要因にもなっている。この格差社会の現象は想像以上に精神的不安の深層のところにその要因があり、その影響で噴出したものが幼児虐待やいじめとなって現れてきた。現代の社会背景の影響が如何に大きいかが分かる。いじめに繋がる社会背景の影響も究明する必要がある。

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