新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/2/18(日) 18:32:32
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1.いじめの起源
いじめの起源は、地球上に生物が発生した時から始まった。これは生物としての宿命であり、生物が生き残るためには、まずは第一に環境へ適応する必要がある。この適応するための努力が生命体の進化に深く関係している。生命を維持するための食欲を満たすためには、弱肉強食となるのも自然の摂理である。性欲にしても自分のDNAを子孫に継承させるための種の保全であり、欲そのものが生命を持続させるための作用の根源となっている。人類の欲レベルが現状より少しでも少なくなっていれば、争いが減って平和になる可能性があるが、人類は今日のような高等動物まで進化はしなかったはずである。その意味で欲は進化や人間活動にとって重要なエネルギーの根源となっている。見方を変えれば悲しいことであるが、この欲の発現形態の一つにいじめ現象が起きるのである。いじめは自分の威力を過度に表すための行動の一つであり、生き残りをかけた生命体の虚勢かもしれない。そのためDNAに組み込まれた競争心の設計図どおりに弱肉強食となってしまうのである。
2.いじめの病理学的視点の究明
病理学とは病気の原因となるものを研究する分野であるが、いじめについても病理学的視点に立って究明する必要である。人間のDNAに組み込まれた競争遺伝子の設計図には、「他人には負けるなよ」と書き込まれているため、設計図どおりに努力するようになっている。そのため人間は時として過激な行動をとる場合がある。しかしこの競争遺伝子自体が生命体のエネルギーの根源であり、生物の大部分の行動は、このエネルギーによって発現している。一生懸命勉強することや仕事をすること等、努力をすること自体が、他人に負けないための競争心が行動のエネルギーとなっている。このように他人に負けないための努力は、他人に勝つための努力であり、その中にいじめの要因となるものが潜んでいるのである。親や先生が勉強しなさいということ自体が、他人に負けるなよという子供の競争心を煽っている。激励は勝ち組には励ましとなるが、努力しても自分の限界を知る者にとっては、精神的に追い込まれる原因となるのである。励ましと感ずるかいじめと感じるかも主観的なもので、本人の感じ方の問題である。
3.いじめの臨床学の特徴と対応策
今日ほどいじめの問題が社会問題化したことがない。先生方や親の心境を考えると心が痛むが、なかなか解決策が見つからない。教育現場でいじめ問題で悩まれている先生方や、いじめのカウンセラー、いじめのボランタリー活動を懸命にされている方々には頭が下がるが、いじめは一向に減る気配を見せない。むしろ増える傾向さえある。いじめに対しての臨床学的な対応策については、今後も真剣に取り組まなければならないが、いじめの臨床学だけでは解決しそうもない。そこでいじめの臨床学的分野は、現場の専門家に任せることにして、ここではなるべくいじめの病理学的分野に特化することにした。臨床学は、個体ごとに発生する病人に対し治療を研究する分野であるが、病理学は、いじめの根本原理を解明する研究分野である。
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