新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/3/18(日) 12:59:43
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1.いじめと類似する悪口
悪口は、各種の集団内で起きるもので、地域集団や職場の集団、友人知人学校等の集団内部で起きる現象であるが、いずれも比較的接触頻度が高い人間関係の中で起きる現象である。したがって、その関係者は集団を構成するメンバーで起きる現象である。その意味でいじめが起きる環境と同一の環境の中で起きる現象である。いじめは優位な立場を利用して肉体的、精神的な苦痛を一方的に与える行為であるから、人間関係の地位等強弱が前提となって発現するものである。これに対して悪口はその場にいない者をターゲットにする行為である。そのため悪口の当事者の双方がその場で直接対決することがないため、地位や勢力等の立場の強弱の影響が少ない。悪口はその場にいない者を非難する形態をとることから陰口とも言う。
2.悪口も状況によっては楽しくもなるが?
悪口には、その場にいない者をターゲットにして、大げさに中傷する行為である。悪口には、いじめと同様に軽いものから重いものまであり、軽い冗談的な悪口であれば、集団中で共通の話題として楽しく盛り上がる場合もある。特に酒の場において親友の悪口を酒の肴にすることや、悪気を感じさせない悪口であれば、少しの欠点を大げさに言って酒の会を盛り上げるように作用する場合がその例である。人間関係に良い作用をする面は心理学的にも証明されている。しかし悪口は本質的に、自分の正当性や優位性を主張する場合に発信されるため、ターゲットとなる対象者を不当化する表現や、下位性を広言する行為であり、悪意に満ちた中傷的な悪口の場合が多くここが問題となるのである。
3.悪口はいじめに変身する
悪口といじめの概念は紙一重であり、時としていじめに簡単に変身する。何故なら悪口の内容が悪意に満ちた中傷的なものが多く、噂となって集団に広がり、ターゲットになった本人にも伝わるものである。しかも悪口は大げさに表現される場合が多く、噂が伝わる段階で悪口の内容は尾ひれが付いて大げさに増殖し変質化する。しかも集団内は日常的に顔を合わせる関係であるから、面と向かって直接的な意地悪な言動よりも、かえって精神的には大きく影響し、大きなダメージを受けてしまうことが多い。悪口はこの段階で強烈ないじめの現象となって作用するのである。
4.メールによる悪口の影響
近年はメールによる悪口が増えている。過去の悪口は、陰口と言われるように人による噂の形態で集団内に広がったが、近年の悪口がメールという形態で発信されることが多くなった。噂という間接的な伝わり方ではなく、電子情報によって直接発信者から集団の全員に公開されてしまう。これでは集団の環境の中で公然と広言している状況であり、悪口という概念の段階を越えてしまい、いじめそのものの行為である。これも新しいいじめ形態としての社会現象であると見るべきである。
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