新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/7/15(日) 19:41:29
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1.競争は生きているものの宿命
人間は、本能的に自分が有利になるように行動する。これはDNAに組み込まれた競争遺伝子の作用であり、人間以外の生物も同様に行動する。そのため同じエリアの中で競争が始まると、自然の摂理として体力の強い遺伝子を持つものが勝つ結果となる。動物界では交尾期になれば体力の強いものの遺伝子を承継するための争いが起きるが、これは種の継承としても重要な役割を果たしている。このように生物は常に負けないために努力するように遺伝子に仕組まれているため、争いが絶えることがないのである。この争いがほどほど作用するのであれば良いが、人間は頭脳を進化させたため精神からも努力するように作られている。そのため、他の動物と比較すれば頭脳の作用によって過度に反応する場合がある。そのためいじめ現象となって現れる場合があるから厄介である。しかし、この一連の作用によって今日の人間まで進化したのであるから、進化の原動力としてのエネルギー源として競争遺伝子が作用したのであるから、競争遺伝子はなくてはならないものであったに間違いない。
2.生きるために競争心と和心のバランス
生きるための行動自体が、競争が起きる要因にもなっており、生物界において競争が作用しない仕組みは作ることができないのである。親や先生は、「他人に負けるな」と言う言葉を使うことが多いがが、これほど矛盾した言葉がない。他人に負けるなと競争心を煽っている一方で、友達とは競争をしないで仲良くしなさいと言うことは、大きく矛盾しているのである。しかし、この矛盾の中に人間の生々しい真実な生き様が潜んでおり、競争に勝つための努力と友達とは仲良く平和な生き方することを、同時に満足させなければならないのが現実である。こんな厄介なことを同時に満足する行動を、簡単にできるはずがないのである。まして純粋な子供は正直な行動をとるため、大きな問題となって現れるのである。競争心と和心のバランスの問題は、人類にとって永遠の課題であり如何に難しいかを表している。
3.市場経済における競争心の具現の形態
ビジネス社会における市場経済の競争現象は、財産の獲得合戦となって現れる。市場経済の原理的な仕組みとしては、本来「良い物を安く」というルールによって動くものであるから、この市場経済の基本原理は、開かれた市場において公平公正に作用することを前提としたものであるが、実際のビジネス界の歴史は、近年まで続いてきた水面下の人脈ビジネスがあり、水面下で行われる人脈取引は、必ずしも公平公正なものばかりではない。つまり水面下の人脈取引も競争相手に勝つための行為であるが、必ずしも市場原理として公平なものではなく、競争相手より自社の優位性を保つための人脈であり、製品の差別化より人間関係の差別化を図るための手段となっている。接待が等により結果として高値で売る方向に誘導される場合が多く、市場経済の原理的な視点で見れば、過去型の古いビジネス競争の形態である。今日のグローバル化した市場経済は、公明正大に「良い物を安く」という競争へと変化してきた。
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