<228>競争遺伝子と自然界の摂理
新規投稿者 阿座上洋吉  投稿日 07/8/19(日) 12:10:42  返信も含め全削除

1.競争遺伝子は悪者ではない
 DNAに組み込まれた競争遺伝子は、戦争の要因にもなるし、いじめの要因になるが、競争遺伝子は悪さばかりしているわけではない。競争遺伝子の設計図は、無限に生命体を維持するように設計され、強い遺伝子が生き残るように設計されているため、争いの根源になっていることは事実である。しかし、この競争遺伝子を否定すれば、生命体として人間までの進化したことが悪であるということになり、自分自身を否定し自然界の摂理まで否定することになる。このような進化論を否定するものを研究しても意味がない。ただ、競争遺伝子が戦争やいじめを誘発する側面があるから、この点をもっと研究することが必要である。人類の頭脳を高度に進化させた自然界の摂理は、競争させることによってストレスを蓄積させ、そのストレスを解決するために進化させる自然界のメカニズムは、あまりに巧妙に仕組まれており驚くばかりである。進化が人間を作り上げたのであるから、生物の立場で考えれば大きな恩恵を受けている。この点の認識が希薄であることに問題がある。

2.競争遺伝子の恩恵を有効に活用する
 競争遺伝子は、進化の過程で頭脳まで高度に進化させたが、人間とその他の動物との違いは、頭脳の進化の差である。頭脳レベルの低い動物は、肉体的な欲求によって行動するが、頭脳を進化させた人間は、肉体的欲求の他に頭脳的欲求に強く反応する特色がある。肉体的欲求である食欲や性欲は一定の限度があるが、頭脳が進化したために起きる精神的な想像力による欲求には、無限に作用する特性がある。更に人間には肉体的欲求の他に物質的欲求がある。この物欲は精神的に増幅され無限大に作用する。市場は物欲を満足させるステージであり、その物欲を効率的に満足させる仕組みが市場経済のメカニズムである。この市場経済の仕組みの中で物欲が無限大に作用すれば、所得格差、経済格差が生ずることは当然であり、そのため大資本家ができ上がることも当然の成り行きである。この点を危惧し考案された経済制度が、マルクス、レーニンによって提唱された共産主義の計画経済である。

3.競争遺伝子は自然界の摂理
 マルクス、レーニンによって提唱された共産主義の計画経済は、所得格差や一部の大資本家に牛耳られる市場経済制度の欠陥を指摘し、人類の幸せは財産を平等化することが重要であると説き、共有財産主義を提唱したのである。確かに一部の者に財貨が集中し過ぎて、貧乏人は餓死しても仕方がないと言う考え方は、人類にとって受け入れられるものではない。多くの人間が平等に暮らせることが幸せであり、人類の究極の目標である。財産を平等化すれば、財産獲得のための戦争やいじめがなくなると考えたのである。しかし、実際には共産主義における計画経済は大失敗したのである。失敗した理由は、マルクス、レーニンが自然界の摂理である競争遺伝子無視した結果、生産性が低下し国の経済が成り立たない状態に追い込まれたのである。如何に大思想家であっても自然界の摂理を無視することはできないのである。人間も自然界の一員である。人類の苦悩は、この競争遺伝子と平等による幸せ論の板ばさみになっていることを認識することが必要である。

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