新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/10/21(日) 22:39:27
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1.大人社会と子供社会のいじめの異同
いじめは子供社会だけの問題ではなく、大人社会でも頻繁に発生するする現象であり、基本的には大きな差異はない。いじめはターゲットに対して、肉体的精神的に苦痛を与える行為であり、その行為は主として精神的に大きなダメージを与える結果となる。大人社会のいじめの現象は、概して陰湿で精神的に大きなダメージを与える場合が多いが、現象面としては比較的個人同士のものや小集団による場合が多い。いずれの場合も大人の場合は、いじめから回避する術を多少は持ち合わせるため、多少はダメージを和らげることができるものである。これに対して子供社会で発生するいじめの現象は、集団によって個人に集中する場合が多く、いじめのレベルが低い場合であっても、相手が大きな集団である場合は、精神的な圧迫感が強く作用するため、逃げ道をふさがれた状態に追い込まれるケースが多く、精神的ダメージが大きく作用するのである。
2.なぜいじめ行為はエスカレートするか
いじめ行為は何故エスカレートする速度が速いか。前にも述べたようにいじめ行為自体は、生物に組み込まれた遺伝子の生命維持装置の設計図に関係する。自分の生命を持続させるために簡単には消滅させられないように仕組まれている。死に対する恐怖感も組み込み、無意識に防御動作する機能を持たせているし、競争に勝つための努力機能もその一部である。その生命維持装置のエネルギー源が競争心であり、このエネルギー源から発現するのがいじめでもある。いじめの行為自体も他人に対する優位性を誇示する行為であり、負けないための生命維持装置の発現形態の一つである。しかも人間は他の動物と違い学習するし、努力することに優れている。そのためいじめに対しても無意識に努力してしまう結果となるため、いじめ行為がエスカレートしてしまう。いじめについて努力する行為とは、まことにおかしな表現であるが、無意識のうちにいじめの意識が濃密化し増殖する過程を見れば、無意識による努力という表現しか言いようがないのである。
3.いじめは安易な闇の勝利を求める行為
頭脳や肉体、性格、感性、アイデアマン等、人間が持ち合わせる全ての能力に、競争原理が作用するため、あらゆる面の能力や行為に競争現象となって現れる。競争になれば必ず勝ち組と負け組みが出来上がり、常に人間社会では他人に勝つために、大変な努力をしなければならない状況下に置かれるのである。しかし、人間は、生まれながらにして肉体的、頭脳的特色に差があり、それが当初ハンディキャップとなる場合が多い。このハンディキャップを安易にクリアするために、競争相手を脱落させる手段として無意識に選択する行為がいじめである。正規の努力によって勝つための行為を、表向きの努力とすれば、いじめ行為は、結果的に負の努力、或いは裏の努力、闇の努力と言うことになる。このようにいじめは、他人に勝つための無意識の行動になって現れる面があり、人間社会において競争が無くならない限り、いじめも無くならないのである。せめていじめを和らげる仕組みを考える方法しか対応策はないのである。
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