新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 07/12/30(日) 09:15:01
返信も含め全削除
1.人間の本能と家庭内教育
生物は自分の生命を維持し、生命体が発生はしてから永遠に子孫に承継させるための仕組みが、遺伝子の中に組み込まれている。したがって、生物である以上、この仕組みを勝手に変更することはできない。そのため生命に危機が迫れば、身の危険を素早く察知し反応する。恐怖感というものも身を守るセンサーの一種であり、身の危険を素早く察知するためのセンサーである。痛みを感ずることも肉体の欠損を察知するセンサーであり、空腹感、性欲感等も生命体の継承するための重要なセンサーである。このセンサーが生命維持の危険を察知し警笛を鳴らすと、あらゆる手段を講じて危険を回避する行動に出る。これらのセンサーの根源は、欲というエネルギーを源泉としている。人間以外の動物は、この欲という本能に正直に反応する。人間は脳が発達したため感情を抑圧することができるようになった。また理屈によってコントロールすることができるように訓練する。このコントロールの学習を教育と言っている。
2.本能から発信される雑念との戦い
宗教家が悟りを開くまでの戦いは、雑念との戦いでもある。雑念の源泉は欲から発現するものであるから、生物が持っている本能によるものである。そのため修行によって雑念を払拭することは簡単なものではない。仮に雑念が完全に取り去ることができるとすれば、生命体の終わりを告げることである。遺伝子に組み込まれて過去から承継された生命体は、次世代に生命を承継させる義務があり、個人が自分の意思で生命体を勝手に中断させることは、自分まで続いてきた生命体の祖先に失礼である。自分の生命体の存在自体が偶然の出来事で奇跡である。結婚や事故その他一生の中で起きてきた偶然の出会いや回避によって、生命体がかろうじて承継されてきたのであり、この仕組みは今後も変わることがない。この凄まじい生命体の承継のために争いが起きるのであって、人間が喧嘩をするのもイジメをすることも根源は同じである。そのためイジメを皆無にすることはあり得ないのである。そのためイジメを和らげる仕組みを考えなければならないのである。
3.イジメを減らす特効薬はない
イジメの発現が「欲」というエネルギーを根源としていることは、人間ばかりではなく、その他の動物すべても同じであり、食欲、性欲等、生命体の承継のための仕組みとして「欲」が重要な役割を果たしている。そのため起きる争いは避けられないのである。良し悪しを別にすれば、自分の子孫を承継したい相手が出現した場合、動物界では熾烈な争いが起きる。イジメどころの話ではない。人間は脳が発達したため、抑制する訓練を受けてかろうじて争いを回避しているのである。また、身分不相応とか立場等の社会的条件によって諦めることもあり、諦めとは自分を抑制することである。しかし過度な抑制が限界を越えれば爆発する。この爆発が外部に向かえば犯罪になるし、内部に向かえば精神病になる。正常な人間が犯罪者になるか精神病者になるかは紙一重である。イジメを和らげる方法の特効薬はないが、せめて紙一重で起きる原理の理解者を増やして、イジメ現象を和らげたいものである。
|