新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/1/6(日) 19:26:06
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1.新市場主義経済の大欠陥
近年の新市場主義といわれる市場経済は、いくつかの特色がある。第1の特色は進化の速さであり、第2は競走の強さ、激しさである。そのため社会構造が流動し常に構造変化をしながら動いている。新市場主義の欠陥が急速に現れてきた。いわゆるワーキングプアである。以前と同じように一生懸命働いても生活困窮者になってしまうという低所得者層が世界中に広がりを見せている。日本では当初、正社員族以外のパートタイマーや派遣社員、契約社員等に起きた現象であったが、近年の所得格差社会、地域格差や業種格差、職種格差の現象は、正社員族の中からもワーキングプアが発生し始めてきた。この現象は、市場経済における限度を越えた競争の結果である。過去にマルクス、レーニンによって指摘された市場経済の欠陥は、市場経済によって一部の者に富が集中し、その富は資本の論理で無秩序に増殖するパワーが潜んでおり、エスカレートする欠陥を指摘されていたが、新市場主義の下でもうごめいている。
2.エリアレス経済学の理論
一部の資本家によって国の経済が牛耳られる仕組みは、マルクスやレーニンが市場経済の欠陥を指摘されていたが、今日の市場経済は当時とは違い、国のエリアが確立していた時代であり、国という単位がしっかりとしていた中での経済活動であった。経済学の学問も「国富論」に見られるように国という単位の経済の理論であるが、今日のグローバル化した地球上では、国単位の経済政策が有効に利かない時代になってしまった。経済政策とは、政治家によって国の経済を修正することや、補完する重要な役割を果たすことであるが、グローバル化現象は、経済学まで変えてしまった。この新しい時代の市場経済に名称を付けるとすれば、新市場主義というより、エリアレス経済と言うべきである。現代社会の経済現象は、激しい競争主義の点を新市場主義と言っているが、何故激しい競争が作用するようになったかが問題であり、その原因は地球規模のグローバル化現象によって、世界市場が一体化し激しい競争が起きていることを知るべきである。
3.エリアレス経済で手に負えない怪物
グローバル化した世界は、多国籍企業を生み今や無国籍企業になりつつある。エリアレス経済学の視点で見れば、無国籍企業は、化け物であり掴みどころのないものである。当然、一国の政治の力の及ばないものであり、サミットによってもコントロールが利かない存在である。人類の知恵で作り出した政治という資源も利かない怪物が現実に地球上に出現したのである。この点を指摘してグローバル化反対という主張があるが、この主張には無理がある。何故なら政治的にグローバル化を起こしたのではなく、経済現象がグローバル化したのであって、経済活動のエネルギーは政治の力を超えたのである。日本の鎖国時代であっても「抜け荷」という密貿易が頻繁に行われていたし。経済は常に政治を越えてしまうのである。今日はエリアレス経済学の学問体系すらできていない状況下であり、民衆も地球市民とか世界市民という概念が必要になってきた。ワーキングプア、地球市民の飢餓、地球規模の環境問題等、エリアレスの社会現象となってきた。
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