新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/2/17(日) 00:42:58
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1.知的財産化時代の管理職
管理職といっても、上級管理職もいれば中間管理職もいる。また現場の指揮的な業務を行う管理職もおり、それぞれ仕事の内容も違うし、権限や責任も大きく違う。これらを一様に論議しても意味がない。少し曖昧ではあるが一般的な管理職という概念があるので、ここでは一般的管理職という概念で進めることにしたい。人事組織の面で言えば、経営者と一般職員の間に存在する職域である。そのため人的組織論としての位置づけとその役割について整理すると、管理という名称がついた役職であるから、仕事の内容は当然に管理業務となるであるが、管理と言う業務とは何であろうか。そこには管理という立場と管理される立場が存在する。近年、雇用形態が多様化しており、直属の部下もいれば派遣社員や契約社員、下請社員等多岐に渡っている。以下これらの非正規社員も含めて部下等と表現することにしたい。このような多様化した雇用形態において管理職は、部下等の職員を管理することは技術的に大変難しい時代になってきたが、如何に戦力化するかの能力が問われている。
2.知的財産についての概念
知的財産についての一般的な概念は、特許権や実用新案権、意匠権、商標権等の法律的権利のあるものは当然であるが、ある特定な分野で特化したシステムも経済界において、ノウハウとしてその経済価値が認められ、実際に市場において売買されるものがある。財産とは市場において交換価値があるものであるから、法律的な権利ではなくても、実質的交換価値が存在するものは、立派な知的財産の概念に該当する。ここでは更に未だ交換価値が認められない研究段階の分野であっても、既に企業内ではノウハウとしての成果が上がり、企業の成果として具現しているようなものも含めて論議することにしたい。何故なら、企業力と言うものは何かと問われれば、こうした研究開発途上のものであっても、その成果が少しでもあれば企業にとっては知的財産と見るべきである。この知的財産を際限なく拡大解釈すれば良いと言うものではないが、企業力の観点で見れば、知力とか知見といったものまで含めて考えた方がよいと思われる。
3.管理職の役割の変化と名称
従来型の管理職の役割と近年の管理職に問われている役割とは、大きく変化してきた。それはIT化とも関係しており、社内情報の流れや情報の扱いが、大きく変化していることに関係している。刻々と変化する状況がデジタル信号によって蓄積され、この情報が分類、分析されて関係者に公開されるため、管理職は情報のプロでなければならなくなってきた。然る以前の管理職タイプの人材は、上からの情報や自分が所有している情報を、命令という形で部下等に指示すことが仕事であると思い込んでいた。しかし、情報共有化時代に入ると、過去に命令として流した情報は、そのほとんどが知的財産化した共有財産として公開され、高度に利用することが経営戦略として重要になってきたのである。今更命令で伝えるだけの管理職では意味がなくなってきた。そのため公開されている知的財産が効率よく担当者が利用できることが要請され、その補佐役としての役割が管理職となってきた。管理職としての名称は支援職とすべき時代に入ったというべきである。
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