新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/3/30(日) 23:46:14
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1.新人類の出現による摩擦
時の流れによって新人類が出現すると、旧人類との間で世代格差と言われる摩擦が生ずる。この世代格差の問題は、神代の時代から続いている話であるから気にすることでもないが、何故これほどまでに先人と後人が対立するのであろうか。今後とも永遠に続く人間社会の課題である。そこで世代格差が起きる必然性を整理することにする。親は子供の将来に大きな期待を掛けるのは当然であり、自分の子孫の繁栄を期待するのも親心として当然であろう。生物学的にみても、自分の遺伝子が順調に継承されていることの実証であるから、子供が健全な形で活躍することを期待する。そのためには親ばかと言われるほど教育熱心になるのも当然である。その際に親は子供に対する教育目標のモノサシが必要となるが、このモノサシが子供と同年代の時代の自分の過去を思い出し、その基準に合わせた教育をしようとする。この同年代比較教育論は、間違っているわけではないが、子供とは少なくとも20年以上の社会変化の格差があることを認識する必要がある。
2.社会変化が世代格差の摩擦要因
社会変化の視点で歴史を見れば、社会は常に変化しており、社会変化が起きない時代はないのである。子供はその時代の社会変化に大きく影響されるため、20年以上前の子供社会の状況とは当然相違した社会の影響を受けて育つのである。この20年以上の社会環境の落差が世代格差となって現れるのである。この社会現象の落差は、社会のうねりの問題であって、善悪や規範の良し悪しの問題ではなく、その時代の社会現象である。貧乏人の子沢山といわれた時代は、子供のみによる子供社会が形成され、子供だけによる子供文化が形成される。一人っ子社会になれば、子供のみで形成する子供社会がなくなり、大人が混在する社会になってしまう。そのため子供社会の価値観やモノサシが形成される段階が大きく違ってしまう。このように子供時代の社会背景の影響で、子供の価値観が形成され、大人との世代格差となって現れるのである。
3.生い立ちと社会経験の差の影響
人間の価値観の形成は、自分の生い立ちと深く関係しているものである。子供時代にはその時代の子供文化の影響を受け、若者になれば若者文化の影響を受け、社会に出ればその時代の社会背景の影響を受けるのである。そのため、人間は生きていること自体が、社会の影響を受けながら自分の価値観を形成していることになる。そのため世代格差は、経験の違いの差でもあり、同じ価値観になること自体あり得ないと考えるべきである。したがって、世代格差が起きること自体が自然であり、世代の違う相手に対して自分の価値観を押し付けても、世代が違う相手には通じないものが出ることは仕方がないのである。これは世代格差を放置すべきであるという意味ではなく、本来、基本的体験の違いからくる文化の摩擦であると捉えるべきである。
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