新規投稿者 阿座上洋吉
投稿日 08/5/11(日) 16:21:28
返信も含め全削除
1.日本人は仕事観を転換できるか
長い間日本人の情緒に合った労働感や仕事観を持っていたが、日本的経営のよき時代は、終身雇用制や年功制によって支えられていたが、もはや現代社会は、情緒的終身雇用制や年功制を継続させる余地がなくなり、この制度では、経営が成り立たない経営環境になってきたのである。日本の大多数の国民が、これほど求めている終身雇用制度や年功制がなぜ崩壊していくのであろうか。日本は終身雇用制や年功制によって高度経済成長を遂げたのであるから、この制度が悪いわけではない。政治家も一般大衆がこれほど求めているのであるから、正社員族を増やすような法的措置をとるようになった。しかし、一向に終身雇用制や年功制による正社員族が増えていかない。正社員が増えたとしても超能力主義化が進んでおり、せっかく正社員族の仲間入りをしたにもかかわらず能力主義に耐えられないため、一方で脱落するものが増えてきている。本格的な能力主義時代の対応が求められているのである。
2.賃金格差が生ずる現状
現在の労働対価は、決して労働価値に対して適性に払われているとはいえない。例えば同じ仕事の内容で同じ労働量でありながら、正社員と非性社員の賃金に差があることは、適正な労働の対価としていない証拠であり、不平等の典型である。また、外国人と自国人の賃金格差も同様で、同一の仕事をしているのに格差があることは、適正な賃金制度とはいえないものである。これに類似した賃金制度に年令給や家族手当制度があり、能力に関係なく支払われる給与がある。これも見方によれば適正に賃金が払われていない。しかし、終身雇用の観点で見れば、自分の年令が上がれば収入も増えるし、家族ができたときはその同様の恩恵を受ける。中途で止めない限り恩恵は平等であるとして納得する。しかし、近年の賃金制度は、年令給の割合が低くなり、能力給にウエイトをかける企業が増えてきたし、手当て制度を全廃した企業を現れてきた。
3.世界の労働市場の潮流
過去の仕事観が目の前で崩れ始めてきた。世界のビジネス界で通用する労働観は、完全な形態の能力主義の労働価値に対して適正な賃金を払う方向で動き出してきた。この潮流は冷酷で情緒的な余地がない。グローバル化した世界経済の動きは、世界の労働市場も巻き込み、完全な形態の能力主義を求めているから、能力は劣るが家族が大勢いるから家族手当の分もみて上げます。という企業はなくなってしまった。地球規模で見れば、日本人は高給取であると自慢した時代もあったが、高給取りの日本人が生産するから世界一高いものになり、工場移転が始まり産業空洞化が進んできたのである。そのため賃金が下り職場も無くなり、非正社員の職しかあり付けない結果となってしまった。日本人は自分達の給与だけが上がることを考えて働いてきたが、気がついてみれば自分で自分の首を絞めた結果となってしまった。これから日本は本格的に大失業時代が来るであろう。グローバル化の波は労働市場も例外ではなく、世界の労働市場が同質化で進んでいるのである。
|