<4>管理システムの概要(2)‥‥‥現状の工程計画手順
新規投稿者 高津徹太郎  投稿日 5/19(月) 19:07:22  返信も含め全削除
3.現状の工程計画手順
 管理システムを検証するには現状整理が必要である。このため現状で行われている一般的な工程計画の作成手順を追ってみることとする。

(1)始めにラフプランを作る
 工事期間が数ヶ月を超える工事の場合は始めに実施工程表*を作らずに大雑把なラフプランを作る。それは数ヶ月を超える実施工程表の作成には相当の時間が掛かりまた着工時は業務が重なって多忙になるためである。(他に、超大型工事では設計内容を詳細にを示される前に受注するから無理だという話がある。このようなケースは市場経済では有り得ず、また計画が立てられないのは当然であるからこのケースは検証の対象外とする)。

@ラフプランの使用目的
 a),実施工程表の前段計画
一般的に、ラフプランを基に月間工程表を作り、月間工程表を基に週間工程表(実施工程表)を作る。週間工程表は具体的な作業を表し施工関係者*はこれを基に業務を行う。
 b),工事関係者*への配賦
一般的に工事関係者は実施工程表よりもラフプランの方が理解しやすい。このために工事関係者には大雑把な工事工程や工事内容などを示す目的でラフプランを配賦する。

A工事概要の把握
 ラフプランを立てる時は、まず設計図書によって工事内容や工程計画に対する特徴を捉えるのである。これと共に契約書による工期や支払条件などの調査を始め、気象条件、地質、交通量、騒音、地域住民など工事現場を取り巻く環境を捉えるのである。

Bラフプランの構成内容
 ラフプランは前段で捉えた工事の特徴等を頭に描きながら工期全体に渡って概要が分かるように表現する。ラフプランの作業は旧型バーチャート*で表しその作業線の数は10本前後〜数十本程度になる。ラフプランはマスタープランとも言い作業は要素作業*を組み合わせた一連作業名*を使って表わす。

*実施工程表:要素作業名で表現された詳細な工程表。施工関係者はこれによって施工をする。
*施工関係者:施工に直接的に関係する工事の関係者。元請、下請、納入業者など。
*工事関係者:施工に直接的に関係しない工事の関係者。発注者、監督官庁、地域住民など。
*旧型バーチャート:旧来の横棒式工程表のこと。ここでは後述する“新型バーチャート”と対比してこう呼ぶ。
*要素作業:工程表上最小単位の作業。同一資源又は同一組合せの資源グループが行う作業。要素作業名の例:型枠組立、鉄筋組立、(重機や作業員の組合せが同じ)運搬捨土など。
*一連作業名:いくつかの要素作業を組み合わさせた作業群に付けた名称。一連作業名の例:杭打ちや土工事を含む基礎工事、同様な躯体工事や設備工事など。

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