新規投稿者 高津徹太郎
投稿日 8/11(月) 19:35:20
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4.叩台工程表
計画工程表を作るには叩台工程表が必要であり、叩台工程表には次の要件が必要である。
@工事分解
工事内容を実施工程表(週間工程表≒できれば各職方がこの工程表を見て作業ができるほど詳細に表現した工程表)レベルまでの作業に分解する。
A作業順序
自社の特徴や施工業者の特徴を生かせるように作業順序を付ける。
B資源設定
工事を進捗させるのは資源である。一般的には作業に必要な資源数は作業量に比例する。これらを勘案して、各作業に作業量の設定とその作業量に応じた総投入資源数を設定する。
以上の要件が設定された工程表を叩台工程表という。叩台工程表とは工事内容や作業順序は設定されているが、実際に行うべき作業日数は固まっていない状態をいう。
5.山崩の前処理
山崩のシミュレーションを行うには、叩台工程表を使って次の前処理を行う。
@作業日数の設定
設計図書・契約工期・現場条件等と共に各作業に割り付けた総投入資源数を勘案し、また、自社の実績工程表などを参照して各作業の作業日数を設定する。
初期の頃の作業日数の設定は、担当者の経験(カンぴゅーた)による所が大きいであろうが、実績データの収集が進むと、ある程度標準値を設定することができるようになる。
A左寄せ処理
上記の設定がされた叩台工程表を使って左寄せの編集を行う。この結果、現状でのクリチカルパスと計算工期が求まる。この結果、契約工期と比較して問題があれば各作業の日数調整を行い、これを解消した後に次の山崩のシミュレーションを行う。
6.山崩の方法
山崩には大別して次の三つの方法がある。
@手軽な方法
最も取り組みやすいのは、余裕の有る作業の余裕時間を利用する方法である。余裕のある経路で左寄せた作業の一つを選び、山積の変化を見ながら右側に移動(遅らせて着手)して山崩の状態をチェックする。また、後からの操作に関連して右寄せしたものを左に戻すこともある。この検討(余裕時間内での実施日の移動調整)で資源毎の山積グラフが最も平準化した状態を計画工程表とするのである。この取り組みではクリチカルパスの日程調整まではしない。そのため、山崩の前処理段階でクリチカルパス上の作業日数の妥当性をある程度検討しておくことが必要である。
A少し複雑な方法
次は上記に加えクリチカルパスも含む各作業の作業日数の変更も試すのである。一般的に一定量の作業には一定量の資源数が必要である。例えば、ある作業量に大工が12人工必要とすると、3日で終わるには4人/日、4日で終わるには3人/日の大工が必要という関係がある。これを利用して所要時間も変更して山崩を試みるのである。
B大掛かりな方法
次は作業順序の変更や施工方法の変更までを含めて山崩を試みる方法である。この方法は従来施工法はもちろん新工法についても深く理解していることが必要である。また、これはクリチカルパスが大きく変わるため画期的な工期短縮も狙える取り組みにもなる。 |