新規投稿者 高津徹太郎
投稿日 9/8(月) 20:08:43
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(7)山崩は厄介
資格試験用の工程表なら完全な山崩ができるかも知れない。しかし、実際の工事を山崩してみると分かるが、例え資源の種類が少なくても完全に山崩できるとは限らないのである。資源の種類が多くなると山崩は加速度的に難しくなる。それはある資源の山崩対策が他の資源の山を作るという状況を招くためである。しかし、これらに関係なく山崩しないと3M(ムダ・ムラ・ムリ)が多くなり、コストアップになる。このように山崩は厄介なのである。事前に資源の動きを分かりやすく表しモデル化して検討できれば良い結果に結び付く。
(8)複雑工程表の攻略法
建築工事は生活圏に近い所に建造するため法上の規制が厳しく、工事を施工するには多数の専門職が必要である。また建築工事では土木工事に多い土・鉄筋・型枠・コンクリート工事などの他に木・電気・給排水設備・仕上工事などの作業も行う。このため、
@作業の種類が多い。
A同じ作業でも部位毎に細分化して施工するので小工事でも数百の作業工程になってしまう。
B作業工程が多いために作業毎の資源数設定に多くの時間が掛かる。
このような理由で建築工事の場合は着工前に叩台工程表が作られていない場合が多い。長期工事の場合でも1週間程度の工程表を作り、作った日程を維持するための打合せ工程会議を有能職人を集めて毎日開いているのである。非効率会議で非効率工程表を維持する図式に見える。建築工事は複雑だからこそ綿密な工程計画による施工を行うべきである。綿密な工程計画を可能にするのが次週以降で説明する“標準工程表”である。
(9)多種類資源の山崩
建築工事のように投入資源の種類が多い工事で効果的に山崩するためには、対象資源の種類を次のようにして絞り、いくつかの段階に分けて行うことが良い。
@始め、工事原価に大きく影響する資源を1種〜数種を選定して山崩する。
A残りの内、極端な山や多量導入の難度や搬出入の費用などを尺度に資源を選んで山崩する。
(10)間違ったリストラ手順
世界的なエリアレス化の波が日本の建設業界に“リストラ”という流れになって押し寄せている。リストラの目的は利益の創出であろうが対症療法的な対応では効果を上げられないだろう。
建設業は売上の8〜9割を工事原価として費やす。従って、今取り組むべきことは工事原価の削減であり、ここに経営資源(人・物・金)を集中すべきなのである。経費節減と言って現場技術者をリストラし少数で現場施工を目指す動きが見られる。しかし、今迄と同じ管理方法で施工していては同じ結果しか出ないのである。リストラによって少人数施工をしても足りない人手をアウトソーシングや派遣社員で賄えば結果はほとんど変わらない。現状ではまず、リエンジニアリングから取り組むべきである。要は生産性が悪い今迄のシステムを組み直すのである。
@人数は現状のままで管理システムを導入する。こうすると新規システムの導入がスムーズ。
A管理効果で効率的に業務ができるようになったら人員の少数精鋭化を実施する。
但し@の前に、会社を存続させるために生産性に合った給与にすることが必要かも知れない。 |